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LINEをビジネスで活用するときの「3つの注意点」

横山信弘経営コラムニスト
LINEをビジネスで活用するには……

LINEをビジネスで活用するときの注意点

LINEを利用した「すごい仕事術」3つのポイントという記事を書いてから、雑誌などからの取材が続いています。それぐらいLINEをビジネスで活用したいというニーズがあるのだと思います。前述コラムでLINEを仕事に活用するメリットは「単純接触効果」「エレベーターピッチ」「備忘録」の3点と書きました。しかしいっぽうで、仕事でLINEを使うなんて本当にいいの? 大丈夫なの? という疑問があることも事実です。

LINEではなく、他のショートメッセージアプリでもいいだろう、ビジネス用のチャットツールのほうが安全で使い勝手がいいに決まっているという意見もあります。もちろん、私もそのほうがいいと考えますので、ビジネス用に最適化されたメッセージアプリを仕事で使ったほうがいいでしょう。ただ、現場に入ってつくづく思うのは、

「機能が適しているから使うわけではない」

ということです。

私は現場に入ってコンサルティングをしています。どんなに優れた機能のツールを提供しても使われなければ何も価値を生み出しません。その点LINEは、多くの人がすでに使い慣れており、心理的ハードルがきわめて低いツールです。そういう意味で、とても大きなアドバンテージを持ったツールとも言えるでしょう。

とはいえ前述したとおり、セキュリティやコミュニケーションを円滑にするうえで対策をとるべきポイントがあります。LINEをビジネスで活用して約1年。気を付けるべきポイント、注意点を3つにまとめてみました。

(※「友達自動追加オフ」「ID検索のオフ」等の設定については当然のことですので、本コラムでは割愛します。別サイトでご確認ください)

1)ビジネス専用のスマートフォンで使用する

2)外回りをする人が使用する

3)「既読」に関してはルール化する

何事もそうですが、実際に使わずリスクや懸念点ばかりを並べていても仕方がありません。使ってはじめて理解できることがたくさんあります。LINEのショートメッセージをビジネスコミュニケーション手段の一つとして活用してわかったことはこの3点です。

プライベート用のスマホをビジネスに使わない

プライベートのスマートフォンを使って、上司と部下とメッセージのやり取りをすると失敗することがあるでしょう。宛先を間違える、ということです。

「ホント、今日の残業は参った」というメッセージを友人に送ったつもりが、上司に送っていたとか。「愛してるよ~」というメッセージを奥様に送ったつもりが、部下に送ってしまったとか。笑って済ませられる内容ならいいですが、会社の批判、部下に対する愚痴を書いたりすると、取り返しのつかないことに発展する可能性もあります。当たり前のことですが、仕事専用のスマートフォンでLINEを使います。もし、どうしてもプライベートのスマホしかないなら、LINEではなく、別の専用アプリを使ったほうが無難です。LINEは「使い勝手の良さ」が最大の武器ですが、最大の落とし穴でもあるのです。

物理的に会ってコミュニケーションできない人が使用する

また、これも当然のことですが、ほとんど毎日外出ばかりしていて、顔を合わせる機会が少ない経営者や営業などが相互コミュニケーションするときにLINEを使いましょう。社内にいる人同士がLINEを使うべきではありません。もちろん電子メールも同じこと。「言語データ」はコミュニケーションの一部です。顔の表情や声色、間の取り方……など「非言語データ」にこそ価値があるのです。社内にいるのであれば、特別な事情がない限り会って話をしましょう。フロアーが離れているのであれば内線を使います。電子メール、LINEでのコミュニケーションは避けます。

先述のコラムにも記したとおり、特に「顔」という情報は極めて特異な情報媒体です。「顔」を見せることはコミュニケーションを円滑化するうえでとても大切なプロセスです。LINEのアイコンに自分の顔写真を設定すべきなのは、このような理由から来ています。

「既読」はルール化して対処する

最後に「既読」について。LINEは、一般的な電子メールアプリと異なり、相手がメッセージを読むと「既読」と表示されます。つまり、相手が自分のメッセージを読んだかどうかがわかります。もっと言うと、「わかってしまう」と表現したらいいでしょうか。正直なところ、この機能に関して「余計なお世話」「知らないほうがいい」と感じている人もいることでしょう。相手がメッセージを読んでいるのに、いつまで経っても返信がないと、ついついイライラしてしまうものです。

プライベートで利用する場合、お互いのコミュニケーションのルールを決めることなど、一般的にはしません。しかしビジネスの場合は、簡単でもルール化しておいたほうがいいと思います。

「メッセージを読んでも返信できないこともある。正直いって面倒だしね。『既読』になっていれば読んだとみなすので、わざわざ返信しなくてもいい。ただ、返信してほしい時は『返信よろしく』とか一言書こう」

「何時間も『既読』がつかないのなら、電話をしてくれ。メッセージを読んでないという証拠だから。もちろん緊急性が高くないならいいけれど」

こんな感じで簡単にルールを決めておきます。

組織内コミュニケーションツールとしてLINEを使ううえでの注意点をまとめてみました。使っていると、現場で撮影した写真を相互交換するときなども簡単にできますし、グループごとに意見交換したことを履歴として閲覧できたり、意外と重宝します。とにかく手軽に活用できるところが一番のメリットですね。「LINEを仕事に使うなんて!」と拒否反応を示す人は必ずいますので、そういった抵抗がない人にはお勧めします。

(※参考コラム :LINEを利用した「すごい仕事術」3つのポイント

経営コラムニスト

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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