好きになればなるほど好かれる法則「好意の返報性」
今回は、好きになればなるほど「好かれる」法則について書きます。これは返報性の原理の一種で、「好意の返報性」と呼びます。「好意の返報性」とは、人は好意を受けられると、それを返したくなるという習性のことで、ミラーリング効果ともいいます。
こちらが相手に好意を持っていると、相手もこちら側を気に入ってくれる可能性が高まるという心理法則ですから、あくまでも「可能性」の話です。(反対に、嫌いになれば、相手から嫌われる可能性も高まります)したがって、1人の異性に好意を持ち、何としてもお付き合いをしたいと願って、そのような素振りを続けても、叶えられないかもしれません。100人に対して好意をもてば、そのうち60人とか70人には効果があるかもしれない、という心理法則なのです。ここを間違えないようにしましょう。
コミュニケーションは「言語コミュニケーション」と「非言語コミュニケーション」の2種類に分解できます。重要なのは「喋り」以外の「非言語コミュニケーション」。「言葉」よりも、相手の表情や姿勢、声のトーン、スピードなどのほうが遥かにインパクトがあります。強く印象付けることができます。つまり、本気でなくても、好きのフリをするだけで好意を持たれる可能性があるということです。「好意の返報性」のメカニズムを順を追って解説します。
1)こちらが相手に対して好意を持っているフリをする
2)相手がこちらの「非言語データ」を感じて好意を持つ
3)こちらも相手の「非言語データ」を感じて好意を持ってしまう
こうしてお互い良好な関係になるのです。苦手な上司、お客様、家族に対しても、好意をもって接していると相手からも気に入られる可能性は高まりますので試してみましょう。とはいえ、恋人や家族、上司、同僚は限られた相手なので、
「どんなに好意をもって接しても、まったく効き目があらわれない」
ということはあります。しかし、不特定多数になりやすい「お客様」に対して、この「好意の返報性」は使えるテクニックです。お客様のことを苦手だと思いながら接していると、相手からは気に入られないものです。しかしながら「素振り」だけでも変えるとお客様に好かれていくものです。私は営業コンサルタントですので、このように指導しています。
蛇足になりますが、もちろん「非言語データ」が届く相手でなければなりません。ツイッターやフェイスブックなど、SNSでもいいですから何らかの相互コミュニケーションができる相手なら効果があります。しかしテレビや雑誌を通してでしか目にできない芸能人やアスリートには通用しません。羽生結弦さんが好き、嵐の松本潤さんが好き、AKB48の大島優子さんが好き……等と、どれだけ好意を寄せても、その思いは決して届かないでしょう。
好意を持っているという口調、表情、姿勢……といった「非言語データ」が届く身近な人に「好意の返報性」は使えるのです。