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どうして人は「制服」に弱いのか?

横山信弘経営コラムニスト

最近、佐川急便で働く人たちが注目されています。「佐川男子」「佐川女子」という言葉を聞いたことがある人もいるでしょう。ファンサイトもありますし、全国3万人から選抜された51人の写真集まで出版されているそうです。佐川急便のセールスドライバーは、青色に白い縞の入った半袖シャツを制服として着用しています。佐川急便で働く人たちの爽やかな笑顔、そしてキビキビと動くその姿が多くの人たちに好印象を与えるのでしょうが、この縞シャツの制服の効果も大きいでしょうね。

説得効果を高めるうえで「服装」は極めて重要なアイテムです。人間には「安心・安全の欲求」があり、「服装」によってその欲求が満たされると無意識のうちに説得されます。これを「ユニフォーム効果」と呼びます。私は営業コンサルタントですから、今回取り上げるのは、営業・販売する人の「服装」についてです。お客様が「しっくり」くる服装をしているか、ということと同時に、お客様を説得するわけですから「締まった空気」を与えられるかということも重要になってきます。(「空気」で人を動かす参考)

相手に「安心・安全の欲求」を与えるため、TPO……Time(時間)、Place(場所)、Occasion(場合)……はとても重要です。保険営業の方が、高級そうな縦縞のスーツに、黒いシャツ、オレンジ色のネクタイをしてやってきたら、少し違和感を覚えます。保険で「ボロ儲け」している感じがしてお客様は「しっくり」きません。相手の目線に合った、それなりのスーツのほうが「しっくり」くるでしょう。

たとえばアルバイトであっても、レストランでスープを注ぐ係をするのであれば、白いコックコートにコック帽をつけて給仕しているほうがお客様にとっては「しっくり」きます。ホールのスタッフと同じような制服よりも、コックさん(のように見える人)にスープを振る舞われたほうが美味しく感じられるものです。この「空気」が重要なのです。

また、説得の場面では前述したとおり「締まった空気」を作ることができるのかも重要です。「権威の原理」という言葉をご存知でしょうか。権威のある人(ありそうな人)には説得されやすいという心理現象を指しています。たとえば、ある30代の男性に何か頼まれたと仮定します。その男性の服装が、

● くたびれたジャージにスリッパ

● ポロシャツにジーンズ

● スーツにネクタイ

● 警備員の制服

上記の4種類によって、説得効果は異なります。まったく同じ男性であっても、「警備員の制服」を着用している人から依頼されたほうが断りづらい統計が出ているのです。要するに「軽く見られない」服装をすることが重要です。つまりだらしない服装をすることはご法度だということです。まとめると、こうです。

■ お客様が「しっくり」くるTPOに合わせた服装をする。(制服が望ましい)

■ 軽く見られないように、キチンと身なりを整える

これから夏が近づいてきます。一般企業で働く、特に男性たちは、「クールビズだから」と言いながら、単にだらしない恰好をしているだけ、という人も目立ちます。とりわけ営業などは、キチンとした服装を心掛けたいですよね。

【参考図書】

「空気」で人を動かす

経営コラムニスト

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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