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「悪あがき」が必要な時と、必要でない時とは?

横山信弘経営コラムニスト

年末が近づいてきて、「追い込み」の時期だ、と感じている人も多いことでしょう。このような時期によく使う言葉が「悪あがき」です。「悪あがき」の意味は、今さらジタバタしても仕方がないことなのに、苛立ち焦って無駄なことをあれこれ試みること――です。しかし、期限が来る直前までアレコレやっても意味があるときと、ないときがあります。2つのパターンを考えてみます。

● 悪あがきすることでマイナスになる可能性が「ある」ケース

● 悪あがきすることでマイナスになる可能性が「ない」ケース

前者の、悪あがきすることでマイナスになる可能性が「ある」ケースとは、「本番の直前」です。たとえば試験の直前、スポーツ大会の直前、大事な商談のプレゼンの直前……などがこれにあたります。アレコレ焦って何かをしようとすると、心に平穏が訪れません。心を落ち着けた状態で本番を迎えたほうが、自分のポテンシャルを存分に発揮できるはずです。ですから、「本番の直前」に悪あがきをしないほうが得策と言えます。

いっぽう、悪あがきすることでマイナスになる可能性が「ない」ケースとは、行動することで加点されるしかないケースです。前出した「本番の直前」以外のことなら、あらゆるケースが思い浮かびます。たとえば学校の宿題をするにしても、最後まで「悪あがき」は必要です。「もう時間がないから」といってあきらめる必要など、どこにもありません。仕事も同じで、「もう今日は時間がないから、明日にするか」とか「今さら焦ってもしょうがないし」などと言わず、最後の1分1秒までジタバタすればよいのです。イベントの集客やチケット売り、商品の販売も同じこと。最後の最後まであきらめることなく「悪あがき」をすればよいのです。この経験が「次はもっと計画的にやろう」「前倒しで取りかかろう」という気持ちを醸成するはずです。

「悪あがき」を経験したい人はいないはずです。誰もが、期限内に余裕をもって、自分の想定どおりの状態へもっていきたいと願っていることでしょう。しかし「悪あがき」すべきときにも「今さらやってもしょうがない」と言ってすぐにあきらめてしまう人は、その経験が生かされず、計画性どころか達成意欲さえ衰えていくことになりかねません。

「悪あがき」をしている姿はカッコいいものではありません。しかし「今さらジタバタしてもしょうがない」こともないのに、自己弁護しながらあきらめてしまう人のほうがカッコ悪いと言えます。

年末が近づいています。「悪あがき」することでマイナスになる可能性がない、と判断できるものは、最後まであきらめない気持ちを維持したほうが、その経験が来年に生かされることと私は思います。

経営コラムニスト

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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