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「やる気」をアップする方法よりも、「その気」をアップする方法

横山信弘経営コラムニスト

「やる気」を出したい。けれども、なかなか「やる気」が出ない、という時は誰にでもあります。「やる気」が出ている状態というのは、積極的に何かをしようとする情感のことですから、心身の内側から力が湧いてこないかぎり、意識も行動も変わりようがないと言えます。

やる気が出ない人の特徴と対策に書いたとおり、「やる気」を出す、というのは、自分の背中を自分で押すようなものですね。しかしそれでも「やる気」が出ない。モチベーションが上がらない、という人は、「やる気」を出す方法を探すよりも、「その気」になる方法を考えてみては、と思います。

「その気」というのは、いつの間にか、いろいろな人に影響を受けたり、周囲の空気に感化されて「そのような気持ち」になってしまった後付けの感情です。「やる気を出す」とは言いますが、「その気を出す」という言い方はあまり聞きません。

「やる気」を出すためには、自分の背中を自分で押すようなものだ、と書きました。いっぽう「その気」になるには、自分の背中を他人に押してもらうような環境に身を置くか、その気になっている人たちと親しくなることが重要です。

特定の脳の神経細胞(俗称:ミラーニューロン)が原因で、人は近くにいる人の言動のみならず思考までも無意識にモデリングします。良くも悪くも周囲の人たち、そして空気に「感化」されていくのです。

「やる気」をアップさせたい。もっと意欲的に動きたい。しかし、なかなか自分の内側から熱いものが湧き上がってこない、という人は、「やる気」ではなく「その気」をアップする方法を考えてもいいかもしれません。

自分を「その気」にしてくれるような人が集まる場所へ出かけるのです。自分が目指す姿をすでに実行している人たち、目的を果たしつつある人たちのグループに、です。気を付けるべきポイントは以下の2つ。

● ただ目指しているだけで、実行していない人ばかりが集まる場所へ行くと本末転倒

● 人は人に影響を受けるため、「パワースポット」のような場所では意味がない

すぐに感化されなくとも、その「空気」に浸っているだけで、脳のミラーニューロンにより、徐々に影響を受けていくものです。なかなか「やる気」が出ない。「やる気」が出ても持続しないという人は、いつも「その気」にさせてくれる場所や集まりを探してみましょう。自分の力を信じず、他人の力に頼るのです。「空気」で自分を動かす、ということです。

経営コラムニスト

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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