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「iPad Pro」に「Apple Pencil」でメモをとるという革新性について

横山信弘経営コラムニスト
紙にペンで書くように、ディスプレイにペンで書くことができる……(写真:ロイター/アフロ)

私は、人の話を聞きながらパソコンでメモをとるという行為は、出来る限りやめたほうがいいと考えています。紙とペンでメモをとる習慣がない人でも、パソコンでメモをとると簡単にできます。話を聞くスピードと、キーボードで打ち込むスピードが近いからです。ブラインドタッチで打つことができる人は、それほどストレスを感じることなくパソコンでメモをとることができるでしょう。

しかし、キーボードを使ってメモをしていると文章をまとめる力がつきません。紙とペンを使い、人の話を聞きながらメモをとるには、

1.話を聞く

2.話の内容を理解する

3.話の内容を理解したうえで短い文章にまとめる

という「思考のインフラ」が必要だからです。

これらを同時に実行するのは簡単ではありませんが、「話を聞きながらメモをとる習慣」を若い頃から体得している人は当然、脳の「思考系」が鍛えられています。脳の基礎体力がつき、頭の回転が速くなるのです。何層もの「思考のインフラ」が構築されれば、他の技能もまたそのインフラの上に乗せることができるようになります。

ですから私はパソコンでメモをとるのではなく、紙とペンでメモをとることを強くお勧めしています。

しかし、紙とペンでメモをとっていると、その「手書きメモ」を整理したり再利用したりするときに問題が発生します。その問題を解決するひとつの策として登場したのがキングジムの「ショットノート」。ショットノートに書いたメモをスマホで素早くデジタル化し、メモを効率的に整理・活用することができます。しかし、当然のことながら「手書きメモ」をデジタル化する”ひと手間”がネックです。この手間が面倒だ、できればやりたくない、という人は、結局はパソコンはメモをとって整理することになるのでしょう。とにかくそのほうが楽ちんだからです。

今回アップルから登場する「iPad Pro」と「Apple Pencil」の組合せは、それらを根本的に解決する可能性を秘めています。タブレットの画面にペンを滑らせれば、想像したとおりのスピードで、想像したとおりの書き味で、想像したとおりのメモや図柄がアウトプットされるという、革新的な事象が実現するからです。

紙にペンで書くように、ディスプレイにペンで書く。

このナチュラルな響きが革新的でなくて、何が革新であるというのでしょうか。「iPad Pro」と「Apple Pencil」の組合せは、ペイント・スケッチ・ドローといった特殊で高度な技術に興味のある人のみならず、単なる「メモ魔」を魅了する最強デバイスとなる可能性を秘めています。「iPad mini」や「iPad air」でも「Apple Pencil」が使えるようになるといい。「メモ魔」は片手でメモ帳を持ってメモするスタイルを好むからです。

経営コラムニスト

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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