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簡単ではないが、確実に「口ベタ」を治す方法

横山信弘経営コラムニスト
口下手で、自分の思っていることをうまく話すことができない……(写真:アフロ)

「口ベタ」とは何か? ……そそも話すのが苦手である人、自分が思っていることをうまく伝えられない人を、自分で「口ベタ」と言うのだと思います。「口下手だから、よく人に誤解される」「営業なのに口下手だから成績が上がらない」など、悩みを抱える人も多くいることでしょう。

「口ベタ」を治す方法を考えるうえで、まずコミュニケーション手段について考察します。コミュニケーション手段は、大きく分けて3つあります。「面談」「電話」「メール」の3つです。これら3つのコミュニケーション手段において、最も顕著に表れる”違い”は、「非言語データ」の量

たとえば「面談」のときは相手の顔を見て話をするため、「非言語化」されたデータまでも私たちは入手します。それらのデータには相手の「目つき」「表情の変化」「息遣い」「態度」「手や体の動かし方」すべてが含まれます。意識していなくても、それらをすべて感知したうえで、私たちはレスポンスしようとしているのです。ですから誰かと面と向かって話をする際が、一番「口ベタ」である自分を意識することとなります。

それでは「電話」の場合はどうでしょうか。面と向かって話をしているときほどではありませんが、多少なりとも「非言語データ」が耳に届きます。相手の「声色」だったり「ため息」だったり「会話と会話の間」であったりです。たとえ知らない相手でも、それらの「非言語データ」を感知して緊張したり、言いたいことも言えなかったりすることがあります。

しかし「メール」ではどうでしょうか? 知らない相手とネット上で「チャット」のやり取りをする場合はどうでしょう? 自分が「口下手」であることを忘れ、雄弁に語ったり、理路整然と自己主張することができたりします。なぜか? それは相手から「非言語データ」をほとんど受け取らないからです。

つまり「口ベタ」な人がフォーカスしなければならないのは、自分の話し方や、トーク技術ではなく、非言語化された情報に自分がどう反応しているか、ということなのです。

すべての人に対して、当分に「苦手意識」がある人は少ないと思います。初対面で目上の人には緊張するが、心を許せる友人には、いろいろな自分の内面も語ることができる、という場合もあるはずです。そこで、「口ベタ」だと自分で感じている人は、苦手意識のレベルを考慮したうえで、「この人には直接話をしよう」「この人にはいったん電話で話してから会おう」「この人にはまずメールで自分の考えを伝えてから、その後で電話しよう」などと、複数のコミュニケーション手段を組み合わせていくことをお勧めします。

「口ベタ」は精神的な要素が大きく関わっているため、「大丈夫! あなたが思っているほど、話すのヘタだなんて誰も思ってないから」などとアドバイスされても気休めにもなりません。精神面で自信をつけていくためには「成功事例」を確実に増やしていくこと。これ以外にないのです。面と向かって話すのが一番いいとわかっていても、あえて苦手な手法を選択する必要はなく、失敗しない手法を続けながら、徐々に自信をつけていく方法が「口ベタ」を克服する一番の近道です。

経営コラムニスト

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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