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感情をコントロールできない人が知っておくべき2つの「サイン」

横山信弘経営コラムニスト
なんで、こんなにイライラするんだろう?(写真:アフロ)

自分が感情的になっているかどうかは、意外とわかりづらい

頭がいい人は、多くの知識を手に入れている人を指すのではなく、頭が整理できる人を指す、と言われます。そして頭を整理するためには感情のコントロールが不可欠で、感情コントロールには、どれだけ自分を客観視できるかが問われるのです。

「感情のコントロールができない」=「頭が悪い」という公式があるとすると、やはり自分自身を客観的に見つめることは大切のようです。そこで、いま現在、自分が「感情的」になっているかどうかに気付く「サイン」を知っておきましょう。

感情的になっている「サイン」

感情が「コントロール不能」の状態のときのサインは「極端」です。極端な発想を思いついたり、口にしたりした場合、かなり感情的になっていると受け止めて間違いありません。

ただ極端といっても、常識外の大げさな表現を指すのではありません。たとえば、

「お前なんか100万年、教えてもわからんわ」

「そんなに頻繁に報告すべきなんですか? じゃあ1秒ごとにすればいいですか?」

この段階ではまだ余裕があると言えるでしょう。「100万年」とか「1秒ごと」などと、常識はずれでデタラメなフレーズが出てくるということは、若干の「遊び心」を思い浮かべている証拠ですから、まだ心の余裕があるのです。

それでは、遊び心のない「極端」な表現とは、どういうものでしょうか。キーワードは2つだけです。

1)徹頭徹尾

2)二元論

1)の「徹頭徹尾」というキーワードは、「全部」「全員」「いつも」「毎回」……という意味を包含しています。たとえば、

「君は何をやらせてもダメだな」

「課長はいつも人をバカにしたような言い方をしますよね」

「そんなやり方なんて、うちのスタッフ全員、反対しますよ」

人も、時間も、事柄も、すべて100%全部「●●」なんだ、と思ったり、言ったりしたら、極端な感情が芽生えていると認識したほうがよいでしょう。

2)の「二元論」は、物事を2つの相対立するファクターに基づいてとらえることを言います。善と悪、精神と物体、白と黒、表と裏……。二元論で物事をとらえる人を「二元論者」と呼び、応報性(やられたらやり返す)が強くなる特性があるので、気をつけましょう。たとえば次のような表現は二元論なのです。

「今後は若手のアイデアを積極的に採用すると聞いたけれど、それじゃあ年寄りの話はもういっさい聞かないということなんだな?」

「新しいお客様をつかまえてこいと言うことは、これまで当社をひいきにしてくださったお客様は無視していいってことなんですね?」

「白でなければ黒なのか?」という、まさに「極端」な表現です。感情的になって心に余裕がなくなっているため、「白」以外であれば、「赤」も「緑」も「グレー」もあるはずなのに、その対極の「黒」を持ち出してきてしまう。物事が2つの要素でしか構成されていないと思い込んでしまうほど感情的になっている証拠です。冷静になれば、わかるはずです。何事もバランスが大事だということを。

また、感情的になってもいないのに、上記の「極端」な表現を恒常的に使用している人は、習慣になってしまっています。これは良くない「癖」ですね。できる限りこの悪癖は取り除いていきましょう。

感情のコントロールができないと頭の整理がしづらくなります。そのため、使うことでかえって頭を整理しづらくなるような表現は慎むことです。言葉の使い方で、自分の感情をコントロールできるわけですから、自分が使っている言葉に対し、敏感でありたいですよね。

経営コラムニスト

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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