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W杯予選で日本代表と対戦するシンガポール代表、敵地でカンボジア代表に圧勝

四方健太郎鎌倉インターナショナルFC代表取締役オーナー
カンボジアのオリンピックスタジアムで行われたカンボジアvsシンガポール

11日、2018ロシアワールドカップアジア地区2次予選のカンボジア対シンガポールの一戦が行われた。試合はカンボジアの首都プノンペンのオリンピックスタジアムにて行われ、0-4でアウェイのシンガポール代表が圧勝する結果となった。

対戦した両国は日本代表が入っているグループEに属しており、日本からの注目度も高かった。

試合は終始シンガポールが主導権を握り、前半で35分までに3点を取り試合を決め、ハーフタイムを迎えた。55000人の満員御礼になったスタジアムだったが、この時点であきらめムードが広がり、後半10分のシンガポールの追加点のあとには競技場を後にするファンも少なくなかった。試合はそのまま0-4で試合終了の笛が吹かれ、グループE開幕戦はシンガポールが勝ち点3を得るという結果となった。

近年でまれに見る大観衆を集めたオリンピックスタジアム、一部ゲートでは警備員が機能せず、無賃で塀を乗り越えて入場する観客も見受けられた。

柵を乗り越えてスタジアムに入場する人々
柵を乗り越えてスタジアムに入場する人々

チケットの販売は試合3日前に詳細が発表され、25000枚を販売。当日は約30000枚が完売となった。

実際には無賃入場分も考えると、55000人以上の観衆が集まったことになる。11月に日本代表戦が行われる際のオペレーションも気になるところだ。

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当日スタンドで観戦していた、現地の一部リーグに今年から参戦が決まっている日系クラブ「カンボジアンタイガーFC」の吉田健次GMは、「シンガポールの方が組織的にチームとして動いている印象だった。0-4になってからはシンガポールも攻めに行かず、カンボジアもチャンスが作れず、最後は退屈になってしまった。カンボジア人にとってこれだけ見どころのない試合となってしまい、16日に行われるアフガニスタン戦でどの程度観客を集めるか興味深い」と語っている。

シンガポールは、16日に埼玉で行われる日本代表戦のため、このあと日本へ向かう予定だ。

ちなみに現在、両国が位置する東南アジアではASEAN加盟国を中心にSEA Games(東南アジア競技大会)が行われており、両国のU-23以下の選手たちはこの大会に出場しているためフル代表に参加していない。(両国共にSEA Gamesでは予選リーグで敗退が決まった)

9月に来日するカンボジア代表や、11月にシンガポールで行われるアウェイマッチではU-23の選手が加わることが濃厚であり、両国代表チームの顔ぶれは変化するだろう。

尚、カンボジアA代表は現在、上記のSEA Gamesチームとの兼ね合いで、日本から派遣されている小原一典氏が暫定監督を務めている。今後のそのまま監督を継続することになった場合、9月の日本での対戦時には小原監督率いるカンボジア代表が日本代表と戦うことになる。

鎌倉インターナショナルFC代表取締役オーナー

立教大学経済学部を卒業後、アクセンチュア株式会社の東京事務所にて、主に通信・ハイテク産業の業務改革・ITシステム構築に従事。2006年より中国(大連・上海)に業務拠点を移し、大中華圏の日系企業に対するコンサルティング業務にあたる。独立後、1年かけてW杯2010年大会に出場する32カ国を巡る『世界一蹴の旅』を遂行し、同名著書を上梓。(あわせて、経済界社より『世界はジャパンをどう見たか?』を上梓。)現在、東南アジアや南アジアなどでグローバル人材育成のための海外研修事業などを行う企業数社を経営。シンガポール在住で日本とアジア諸国をフィールドにしている。

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