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本当・真実の福島?ネットの世界で決め付けず 桜をきっかけに出かけてみては

吉川彰浩一般社団法人AFW 代表理事
福島県双葉郡川内村 県道小野富岡線の桜 

福島県、このフレーズを見聞きした時、もれなく原発事故もしくは放射能汚染というフレーズが連想される。これは事故から5年が経った今でも続いています。最近では福島県の食について、「TOKIO 福島県産ラーメン」について綴ったTiteerなどが話題になり、個人の道徳論までに発展しました。放射能汚染への不安と対策へのリテラシーの問題は今も根強い状況です。

気候も風土も違う広域な福島県は一言では語れません。
気候も風土も違う広域な福島県は一言では語れません。

とかく言えるのが、本当の福島ってどうなっているの?論です。ネット社会の今、それを拾いあげる事は簡単です。ですが、福島と合わせて個人が気になることを入力すれば、福島県で暮らす方々からすれば目を覆いたくなる言葉が並んでいます。福島県に関わるまとめサイトなどを見ても、同様です。

本当の福島はどうなっているのですか?この問い掛けに対して、日本でも3番目に大きい福島県に暮らす方々からすれば「自分の町はこういった状態です。」としか言えません。

本当の福島を語るサイトと自称するもので福島県を判断するのは安直です。例えば皆さんがお住まいの地域を語るサイトがあったとして、いかが思われるでしょう。「そういった事もあるかもね。もしくは何を言っているんだ!(怒)、来れば分かるのに!」といった様相ではないでしょうか。

筆者は茨城県の生まれなのですが、毎度「茨城と言えば納豆、いばらきって言わないと怒るんでしょ?、暴走族だらけ」などと言われると、正直げんなりしてしまいます。

ですが逆の立場からすれば何をきっかけにと言ったこともあります。観光地だけ見てもらうことも違いますし。さてここで「桜」ほど、日本人に愛され、どこにでもあるものは少ないです。

いわき市小川、諏訪神社のしだれ桜 今が満開です。
いわき市小川、諏訪神社のしだれ桜 今が満開です。

福島県に住み、早18年、毎年この時期に思うのが桜の名所が至るところにあることです。有名どころ「福島市の花見山公園」、「田村郡三春町の滝桜」、「双葉郡富岡町夜ノ森公園」、ばかりではありません。福島県の各市町村に心奪われる地域の名所が存在します。そして桜好きに嬉しいのが、長く楽しめるといったところです。

田村市船引町小沢の桜。映画「初恋」の舞台となった桜です。芽吹き始めるのはこれからです。
田村市船引町小沢の桜。映画「初恋」の舞台となった桜です。芽吹き始めるのはこれからです。

日本で3番目に広い県、温暖な浜通り、盆地の福島市等は今が見ごろですが、中山間地域ではまだ咲いていないところもあります。散りゆく桜を眺め、ちょっと足を延ばせば満開の桜を楽しめる。桜のシーズンは5月下旬まで続きます。

福島県は桜の名所の宝庫です。ご参考に

YAHOO!JAPAN特別企画 桜の開花情報 福島県の桜名所

本当の福島県はネットの世界にありません。福島県にあります。「そうは言われても機会がぁ。。」という方は、桜をきっかけに本当の福島県をご自身の目で見るのはいかがでしょうか。それに勝る「本当の福島」はありません。

一般社団法人AFW 代表理事

1980年生まれ。元東京電力社員、福島第一、第二原子力発電所に勤務。「次世代に託すことが出来るふるさとを創造する」をモットーに、一般社団法人AFWを設立。福島第一原発と隣合う暮らしの中で、福島第一原発の廃炉現場と地域(社会)とを繋ぐ取組を行っている。福島県内外の中学・高校・大学向けに廃炉現場理解講義や廃炉から社会課題を考える講義を展開。福島県双葉郡浪江町町民の視点を含め、原発事故被災地域のガイド・講話なども務める。双葉郡楢葉町で友人が運営する古民家を協働運営しながら、交流人口・関係人口拡大にも取り組む。福島県を楽しむイベント等も企画。春・夏は田んぼづくりに勤しんでいる。

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