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祝紅白! ゴールデンボンバーの楽しみ方

ふくりゅう音楽コンシェルジュ

日本ロックバンドへの批評?へと踏み込んだナンバー

ゴールデンボンバー:ロゴ
ゴールデンボンバー:ロゴ

もうすぐ大晦日。あの、演奏しないエアーバンドのゴールデンボンバーが『第63回 NHK紅白歌合戦』に出場する……。そう、これは音楽シーンにおいて大きな事件です。

ゴールデンボンバーといえば、一般的には、ハウス食品『メガシャキ』のCMに提供した「眠たくて」(「女々しくて」の替え歌)や、カラオケや動画共有サイトがきっかけでロングヒットした「女々しくて」で知られていると思うのですが、筆者が気になったのは「かっこいいな英語って」という曲でした。

タイトルにまず惹かれました。いわゆるサビになると英語になる、まさに日本ロックバンドへの批評?へと踏み込んだナンバーだなと。

他にも名(迷)タイトルな楽曲がたくさんあり「今夜も眠れない(病的な意味で)」、「ワンマン不安」、「†ザ・V系っぽい曲†」も、後からじわじわと込み上げてくる曲名だと思います。

しかも、メロディ的にも構成的にも良く出来ている楽曲たち。さらに、Vo-karu担当の鬼龍院翔の歌声の良さは、個性的なボーカル・スタイルの多いV系というより、一般受けレベルで注目される人気の秘訣だと思ったのです。

超有名バンドのあの名曲を彷彿とさせるナンバーたち…

そして、音楽性では過去曲ですが「TSUNAMIのジョニー」(サザ○風)、「ultra PHANTOM」(B'○風)、「SAY NO」(チャ○アス風)、「Tommorow never world」(ミ○チル風)の4曲が持つインパクトには見事にやられました。

そう、日本を代表する超有名バンドのあの名曲を彷彿とさせるナンバーたち。しかも、ウィットに富んだ、愛情を感じられる良い曲に仕上がっているから面白いのです。

自分たちのことをヴィジュアル系エアーバンドとカテゴライズしつつも、めちゃくちゃ音楽好きなバンドなのだなと納得した瞬間でありました。

さらに表紙を飾った現在発売中のカルチャー雑誌『Quick Japan vol.105』号では、インタヴューにて歌広場(Be-su担当)が

「僕らは既存の価値観とは逸脱したシンプルなところにいるんです。アーティストを高い店に連れて行くことが音楽業界の常識だったかもしれないけれど、僕らはそれを喜ばないんです。ジェネレーションが違う気がする。上の世代の人たちはそういう価値観から抜け出せていないんです」

出典:Quick Japan vol.105

という発言に顕著で、今の時代の若い世代のリアルを体現しているのも興味深いのです。

それもそのはず、メジャー・レーベル7社からオファーがありつつも、今もなお、インディーズでやりたいことを貫く彼ら(音楽と言うよりは、プロモーション時に役に立つ身体を張った笑いの為に……)。

紅白出場の翌日にニューシングル発売

注目すべきは、紅白出場の翌日である2013年1月1日に発売される、ニューシングル『Dance My Generation』(懐かしの8cmCDヴァージョンが初回限定であると話題!)が、紅白効果とともに、どこまで伸びていくのか?

サウンドは80年代TM NETWORKのユーロビート時代風(デッドオアアライブ風とも言う)ということで、小室哲哉の弟子的存在としても知られる浅倉大介氏をアレンジャーに起用しているのも興味深いポイントです。

はたしてスマッシュ・ヒットチューン「女々しくて」のヒットを超えるのか? 2013年の音楽シーンを占ううえで大変興味深いです。

「Dance My Generation」ゴールデンボンバー

音楽コンシェルジュ

happy dragon.LLC 代表 / Yahoo!ニュース、Spotify、fm yokohama、J-WAVE、ビルボードジャパン、ROCKIN’ON JAPANなどで、書いたり喋ったり考えたり。……WEBサービスのスタートアップ、アーティストのプロデュースやプランニングなども。著書『ソーシャルネットワーク革命がみるみるわかる本』(ダイヤモンド社)布袋寅泰、DREAMS COME TRUE、TM NETWORKのツアーパンフ執筆。SMAP公式タブロイド風新聞、『別冊カドカワ 布袋寅泰』、『小室哲哉ぴあ TM編&TK編、globe編』、『氷室京介ぴあ』、『ケツメイシぴあ』など

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