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日本の主流動画共有サービスYouTube・ニコ動・Vineの利用状況を確認する

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ 世代によってはテレビ同様の娯楽扱いをされる動画視聴だが……

YouTubeは2/3が利用する

インターネット回線の高速化や動画再生技術の向上、スマートフォンの普及に伴い、動画共有サービスも広く深く普及するようになった。日本で主流の3サービスの利用状況について、総務省が2015年5月に情報通信政策研究所の調査結果として公式サイトで発表した「平成26年 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」の公開値を基に確認していく

次以降に示すのは、各サービスの利用をどの種類の端末から行っているかについて。回答時点で該当サービスを動画の閲覧のみでの利用か、書込みや投稿まで含めて利用しているか。そして利用する際の端末はパソコン(PC。ノート、デスクトップを問わず)か、携帯電話(従来型携帯電話、スマートフォンを問わず)かについて尋ねている。

まずはYouTube。

↑ YouTubeの利用状況(2014年、利用スタイル・端末種類問わず)
↑ YouTubeの利用状況(2014年、利用スタイル・端末種類問わず)
↑ YouTubeの利用状況(複数回答)(2014年、詳細、属性別)
↑ YouTubeの利用状況(複数回答)(2014年、詳細、属性別)

全体利用率は約2/3。男女別では男性の方が10%ポイント強ほど高く、世代別では20代がもっともよく利用して9割近くを示しているが、40代までは高い値を維持している。そして50代以降は減退するも、60代以降でも1/4ほどは利用中。

利用端末を見るとYouTubuは現状では携帯メインのサービスと見なすことができる(その多くはスマートフォンだろう)。男女別では男性はパソコンと携帯であまり差はないが、女性では携帯経由が大きくパソコン経由に差をつけている。また10代から30代までも携帯が非常に多く、40代までは携帯の方が上な状態が続き、50代以降でようやくパソコン経由の利用者が増えていく。

書込み・投稿者の割合はさほど多くなく、パソコンで1.2%、携帯電話で1.9%。若年層の投稿意欲は大きいが、それでも最大で5.0%でしかない。

20代は4割のニコニコ動画

続いてニコニコ動画(ニコ動)。

↑ ニコニコ動画の利用状況(2014年、利用スタイル・端末種類問わず)
↑ ニコニコ動画の利用状況(2014年、利用スタイル・端末種類問わず)
↑ ニコニコ動画の利用状況(複数回答)(2014年、詳細、属性別)
↑ ニコニコ動画の利用状況(複数回答)(2014年、詳細、属性別)

全体では2割近く。男性の方が利用率が高く、世代別では10代から20代が圧倒的で、30代以降は下がる。YouTubeと比べると投稿内容における汎用性の低さ、投稿される動画の傾向の違いなどが原因だろうか。

利用端末別では全体ではパソコンが上で、性別でもその違いはない。ところが世代別では10代で携帯電話経由の利用者が上、20代でもほぼ同率、そして30代でわずかにパソコン経由が多くなり、40代以降は圧倒的にパソコンの方が高くなる。また投稿傾向ではパソコンも携帯電話もほぼ変わらずなのは興味深い。主な投稿者は10代から20代。特に20代はパソコンで4.1%、携帯で3.6%もの人が投稿している。

10代・携帯利用者の多いVine

最後はVine。

↑ Vineの利用状況(2014年、利用スタイル・端末種類問わず)
↑ Vineの利用状況(2014年、利用スタイル・端末種類問わず)
↑ Vineの利用状況(複数回答)(2014年、詳細、属性別)
↑ Vineの利用状況(複数回答)(2014年、詳細、属性別)

全体利用率は1.9%。53人に一人。男女の差異はほとんど無く、世代別では圧倒的に10代が多く、20代が続く。50代・60代の0%は誤差の範囲では無く、解答人数でもゼロ人。

利用端末別では連動元となるTwitter自身が携帯電話経由利用者が多いこともあり、携帯電話経由が多め。それでも男性はややパソコン経由の利用者がいる。そして世代別ではパソコン経由・携帯電話経由共に10代が積極的に利用しており、閲覧だけでなく投稿者も多い。正直、20代以降は無きに等しい。実質的に10代の動画共有サービス的な雰囲気すらある。

これら動画サイトの普及浸透の最大の要因は、スマートフォンの普及率上昇にある。今後さらに普及率は上を目指すことから、動画共有サービスもまた同様に、その利用状況は活性化することだろう。

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「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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