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おっぱい募金 スカパー24時間テレビ #エロは地球を救う @sptv_ero24hTV

神田敏晶ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

KNNポール神田です!

8月末の風物詩ともなった「24時間テレビ」。本家の日本テレビさんとは、一風違った24時間チャリティ「おっぱい募金」が新宿で、スカパーによって、2014年8月30日(土)20時から、本日2014年8月31日20時(受付は19:00)まで開催されている。

今年(2014年)は、「アイスブレイクチャレンジ」のように、チャリティも単に募金するだけでなくアクションでも拡散する流れが登場してきたが、この「おっぱい募金」は、女優のおっぱいを触ってチャリティに参加するというアクションだ。その寄付金は全額、ストップエイズ啓蒙活動(公益財団法人エイズ予防財団)に寄付される。

オープニングは12名のAV女優が参戦!
オープニングは12名のAV女優が参戦!

http://adult.skyperfectv.co.jp/24h_2014/

規程は、18歳以上を証明できる公的なパスポートなどの証明書と、番組エキストラ出演という承諾書にサインする。1,000円以上の募金をし、手を消毒してから、女優さんの並ぶステージへいって、拝観しながら触らせていただく。但し、おっぱいに触れるのは1回だけ。往復すると厳重に注意される。また撮影機材などの撮影は禁止だ。

このイベント、実は今年で12回目となるという。しかし、今回はスカパーがメインでサポートするということで、1大イベントとなったようだ。

2014年8月30日の会場前の19:40には、旧コマ劇場はどこからどこまでが、この「おっぱい募金」の参加者などかの予測が不可能なくらいにごった返していた。事故がないように祈るばかりであった。

道路をうめつくす男性陣の群衆
道路をうめつくす男性陣の群衆

会場ではステージの裏手に、メインステージからは隠れるカタチで「握手会」ならぬチャリティの「お触り会」が展開された。どれだけ、わいせつな絵づらになってしまうのかと勝手に妄想していたが、ステージの裏手にいって、それまでの妄想は吹き飛んでしまった。

「ありがとうございます〜!」と笑顔の女優たち

終始笑顔でおっぱいを触られる女優たち
終始笑顔でおっぱいを触られる女優たち

参加者は金属探知機のセンサーでチェックされ、一人づつステージ裏で、12名の女優のおっぱいを両手で、揉むというよりも、やさしく触れるという列が延々と続く…。女優たちは、終始笑顔で「ありがとう!」「有難うございます!」と声をかけているではないか!

なんだか、Tシャツをあげたままのポーズで、おっぱいを触られているのに、しかも笑顔でありがとう!と言われる機会は、長い人生の中でもありえない構図であった。残念ながら、取材のみで参加することはできなかったので、参加者に感想を率直に聞いてみた。

「エロさは、まったくありませんね。感動です!」

「両手の感覚が残っているので、他のものを触りたくないです」

「募金したけれども、ボッキはしませんでした(笑)」などと、顔の表情筋が列を並んでいる時とは、打って変わってゆるみっぱなしだ(笑)。

今回はメインのスポンサーがスカパーになることによって、話題も大きくなり寄付金も跳ね上がることだろう。前々回までは500万円弱だったそうだ。

今回、スカパーはツイッターのRT(リツイート)チャリティを同時開催し、スカパーのこの「チャリティツイート」をRTするだけで、おっぱいを触ることなく、1RTあたり10円を供出してくれるという。はずかしい人もRTだけで参加できるのだ。スカパー側も2万人にリツイートされても予算が20万円という価格なので双方のメリットが成立するだろう。

慈善行為の寄付なんだけれども、なんらかのアクションに参加することによって、寄付の話題が拡散することは、筆者は良いことだと考えている。そこに企業側の思惑もはいり大掛かりになる。チャリティイベントそのものには、賛否両論あると思うのだが、チャリティが何もないよりは、寄付は確実に集まっていることだけは確かだろう。

これでまた、寄付やチャリティのイベントの運営は、企画力勝負の時代に突入したのかもしれない。寄付をしたい気持ちをサポートする企業にも当然、広告以上の企業イメージ向上に役立つ部分があることだろう。

そして、一番大事なのは、参加者が寄付をしてそれで終わりでなく、自分の寄付したお金の行方にも興味を持って欲しいと願いたい。善行は精神的にも非常に良いことだ。しかし、少なくとも寄付をされた団体で、本当に寄付金が有効に活用されているのかどうかの見極めも重要だろう。海外の支援先では大半が運営手数料に消えてしまうというケースも耳にする。

どの団体の活動を、今後自分が支援したいと思えるのか?今はネットで検索すれば、いろんな団体が登場する。企画イベントで参加した後こそ、今度は自分が賛同できる寄付の本当のカタチを知ることにも興味が持てるはずだと思う。

ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

1961年神戸市生まれ。ワインのマーケティング業を経て、コンピュータ雑誌の出版とDTP普及に携わる。1995年よりビデオストリーミングによる個人放送「KandaNewsNetwork」を運営開始。世界全体を取材対象に駆け回る。ITに関わるSNS、経済、ファイナンスなども取材対象。早稲田大学大学院、関西大学総合情報学部、サイバー大学で非常勤講師を歴任。著書に『Web2.0でビジネスが変わる』『YouTube革命』『Twiter革命』『Web3.0型社会』等。2020年よりクアラルンプールから沖縄県やんばるへ移住。メディア出演、コンサル、取材、執筆、書評の依頼 などは0980-59-5058まで

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