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LINEのセキュリティ IPアドレスって何?

神田敏晶ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

KNNポール神田です。

LINEのセキュリティメッセージを見て、ふと疑問に思った。

こんなアラート、普通の人が見て理解できるのかって?

IPアドレスって何のこと?
IPアドレスって何のこと?

LINEの「今 何してますか?手伝ってくれませんか?」のメッセージが届くように、LINEのIDとパスワードがハッキングされて、乗っ取られるという現象をよく目にするようになった。

それだけでなく、「IP Address」 という謎の数字の羅列の文面が届き、

「心あたりがない場合はアカウント情報を変更してください」とLINEからメッセージが届く。

そもそもこの「IP Address」というコトバに心当たりがなさすぎる(笑)

確かにこのメッセージは、理解できる人にはわかると思うが、普通のLINEユーザーには、メッセージの意味が、まったく伝わっていないと思う。

ユーザーのビヘイビアを熟知しているLINEでさえも、こんなメッセージを飛ばしている時点でIT企業のサービスのコンピュータバカっぷりが露見される。

ボクが担当者ならば、この文面をすぐに、こう変えさせるだろう。

「こんにちはLINE運営事務局です。あなたは、もしかしてLINEウェブストアにログインされましたか?そうであれば良いのですが…。

LINEではIP Address:xxx.xxx.xxx.xxxというネットの住所からアクセスされたことを確認しました。これは普段あなたが使っているところと違うので、誰かがあなたの替りに侵入を試みた可能性があります。

これを避けるためには、アカウント情報の変更で、パスワードの変更をするか、パスワード管理ソフトなどの使用でプロテクトされることをオススメいたします。気をつけてくださいね」

ちなみに自分のいま使っているインターネット上での住所(おそらく通信プロバイダー)はここでわかる。

自分の使っているインターネット回線の住所を見てみる

http://www.iputilities.net/index.html

153.215.53.56

Host Name p22056-ipngn8701marunouchi.tokyo.ocn.ne.jp

で光フレッツのOCNだからだ。

ちなみに、ボクのLINEに届いたIPアドレスの186.241.143.225は、ブラジルのリオデジャネイロ経由だった(笑)

ブラジルのリオデジャネイロからクラック?
ブラジルのリオデジャネイロからクラック?

もうひとつの、190.38.91.248は、ベネエズラだった。

南米ベネエズラからのクラック?
南米ベネエズラからのクラック?

中国系はウェブマネーやiTunesカードをおねだりするが、南米系は、LINEウェブアプリが好きなようだ(笑)

しかし、「クラッカー(悪意のあるハッカー)」たちは、このブラジルのIPアドレスさえも踏み台として使っている可能性があるために犯人を特定することが難しい。 「ハッカー」は決して悪い人ではないので、「クラッカー」と呼びましょう!特にマスコミの皆さん!

LINEの「アカウント」情報の変更でアップするあなたのセキュリティ

【その他】→【設定】→【アカウント】からアカウント情報を変えます。

アカウント情報の変更
アカウント情報の変更

【メールアドレスの変更】これは、使い回されているランキングナンバーワンですね。これを普段あまりつかっていないメールアドレスにすることが一番の防御策。しかし、使っていないメールアドレスは見ることがないというジレンマになります。例えば新しいLINE専用のGmail.comのアドレスを取得し、普段の自分のメールアドレスに【転送】させるという方法で登録すると、あなたのメールアドレスを知られることがなくなり、セキュリテイが強くなります。

【PINコード】4ケタの暗証番号です。いつも使っている4ケタとは違うほうがいいのですが、なかなか覚えづらいですね。とりあえず、0000 とか 1234 とか 1111みたいなのは使わないで、あなたの銀行や携帯電話以外の4ケタで忘れない番号を設定してみてください。

【Facebook】「連携する」になっていれば安全です(これが表示されていることは、連携していないという意味)。連携中の場合は、現在のあなたのfacebookがハックされた場合、簡単にあなたのFacebook連携ログインからLINEに入り、FacebookもLINEもハックされることになる可能性があります。

【連動アプリ】使っていない連動アプリは【連動解除】しておきましょう。

【他端末ログイン許可】これはPCなどでLINEを使っていない人は必ず、オフ(左側で白くなっている状態)にしておくこと。これだけで、大半のハッキングからは救われます!

これがオン(右の緑)になっていると、世界のどこからでもどこかで知り得たあなたの電子メールから侵入し、パスワードをランダムに何万回も打ち込んでハッキングすることができます。

しかし、これでLINEの使える端末は1台ですから、その端末を無くさないように注意してください。

…という感じだろうか?

これだけパスワードのハッキングにLINEが狙われている以上。最大限に自分のIDパスワードを守る意識は持っておく必要がある。

一番の問題は、ソーシャルネットワークでは、あなたになりすまして、友達にいろんな詐欺を働きかけることができることだ。だから、自分だけでなく、ソーシャル・ネットワーク仲間全体でセキュリティの意識を高めることが重要だ。

facebookのアプリ認証も同様だ。

ちなみにボクは、家にカギをかけないけれども、ネットには厳重にカギをかけている。

家にカギをかけるくらいのつもりで、メールやパスワードやLINE IDは重要なものという意識が必要だ。

同じメールアドレスに、同じパスワードの流用が一番危険なのだ。

そのうち、名刺にメールアドレスや、個人名やIDなどの情報を書かないという会社が出てきてもおかしくないと思う。会社の名刺って本名である必要があるんだろうか?とさえも思う今日この頃だ。

そろそろ、真剣にメールアドレス管理ソフトの方が、ウィルスソフトよりも重要な時代になったと感じる。

ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

1961年神戸市生まれ。ワインのマーケティング業を経て、コンピュータ雑誌の出版とDTP普及に携わる。1995年よりビデオストリーミングによる個人放送「KandaNewsNetwork」を運営開始。世界全体を取材対象に駆け回る。ITに関わるSNS、経済、ファイナンスなども取材対象。早稲田大学大学院、関西大学総合情報学部、サイバー大学で非常勤講師を歴任。著書に『Web2.0でビジネスが変わる』『YouTube革命』『Twiter革命』『Web3.0型社会』等。2020年よりクアラルンプールから沖縄県やんばるへ移住。メディア出演、コンサル、取材、執筆、書評の依頼 などは0980-59-5058まで

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