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2014年ツール・ド・フランス第7ステージ 貪欲に強奪せよ

宮本あさか自転車ロードレースジャーナリスト
超僅差でサガン敗れる。勝ったのはトレンティン。photo:Jeep.VIDON

キャラバン隊の通過を待つために、ファンたちは2時間ほど前から並び始める。ツールを朝から120%楽しむため。いや、むしろ、車から放り投げられるスポンサーグッズを回収するため!

私も甥っ子たちと一緒に、何度かグッズ収集に挑んだことがある。また、グッズばら撒き中のキャラバン隊の間を、何度も自動車ですり抜けたこともある。その経験から言わせてもらう。

まず、下りはダメ。キャラバン隊は猛スピードでダウンヒルするだけだから。人気のいない場所もダメ。やはりキャラバン隊は猛スピードで走り抜ける。かといって人が多すぎる場所もダメ。だって幾重にも人が重なっていて、争奪戦があまりに激しすぎる。あなたが女性なら、大人の男性が固まっている場所もダメ。奴らは手も足も速く、力も強い。

好ポイントは、歩道が広い田舎道。ファンたちが沿道に余裕を持って一列に並んでいるところ。できれば8歳以下くらいの小さな子供がたくさんかたまって並んでいる、ほんの1~2mばかり進行方向よりに陣取りたい。

観客の並んでいる場所に、キャラバンスタッフたちは、ほぼ等間隔に、かなり無機質にグッズをばら撒いていく。ただし可愛い子供たちがぴょんぴょん飛び跳ねているゾーンなら、特別にちょっと多めに撒いてくれる可能性あり。ただ車で走行しながらばら撒くため、スタッフが子供の前に投げたつもりでも、たいていグッズは……子供たちよりも少しだけ進行方向の方にばらけることが多いのだ。

それから、小さな子供たちというのは、宙を飛んでいくグッズをぽわーんと眺めては、キャイキャイと興奮する。そのくせ地面のどこにグッズが落ちたのか把握していないことが多いし、手を伸ばすのも遅い。だから、そこを、さっと横取りさせていただいこう……。

もちろん、できる限りたくさんあつめて、子供たちとグッズを分け合うことも忘れずに。すると、自然に、周りの人間たちが「あなた」にグッズ収集係を任せてくれるのだ!

沿道で派手なショーが繰り広げられる。photo:Jeep.VIDON
沿道で派手なショーが繰り広げられる。photo:Jeep.VIDON
自転車ロードレースジャーナリスト

フランス・パリを拠点に、サイクルロードレース(自転車競技)を中心とした取材活動を行っている。「CICLISSIMO」「サイクルスポーツ」誌(八重洲出版)、サイクルスポーツ.jp、J SPORTSサイクルロードレースWeb等々にレースレポートやインタビュー記事を寄稿。

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