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お正月休みこそ、傑作ドラマを一気見! 動画配信サービス「お試し体験」はこの時期が最高のタイミング!

渥美志保映画ライター

早い人で明日から始まるお正月休み。今年はお金ないし旅行はパスだわ~、正月はうまいもん食って酒飲んでが一番だよな~、という「完全寝正月シフト」のアナタに是非とも楽しんでもらいたいのが、見逃してる傑作ドラマの一気見です!もちろんDVDショップで借りて来るのもいいんですが、一気見なら、いつでも見れて返却期限を気にしなくていい「動画配信サービス」が断然おすすめです。というのも「動画配信サービス」はたいていが、2週間から一か月程度の「無料お試し期間」があるんですねー。不景気な昨今、年末年始期間をカバーできるうえに、普段よりも時間をかけて存分に「お試し」できるわけですから、利用しない手はありません。すごく便利だし映画やドラマ、キッズ向けまでプログラムも豊富で、継続したくなっちゃうことも請け合いです。

今回は「Netflix」「hulu」の2つのサービスで見られる、「最新作ではないものの、きっと見逃しているに違いない、見逃しちゃいけないめっちゃ面白い作品」を各種取り揃えてみましたので是非参考にしてくださいね。

開き直って明るく生き抜く、ワイルドな女子刑務所生活

『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』(NETFLIX)

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今年もゴールデン・グローブ賞を始め多くのドラマアワードでノミネートを獲得した、女子刑務所の日常とそこに暮らす様々な女性たちの姿を描くコメディ・ドラマ。シーズン1の主人公は、若気の至りで片棒を担いだ麻薬取引の罪を突如告発され、刑務所に入ることになった高学歴のパイパー。オーガニック!とかマクロビ!とか女性の権利!みたいなお題目だけの世界でご清潔に生きていたパイパーが、そんなんまったく通用しないワイルドな女囚の世界で、衆人環視の冷たいシャワーや落ち着かないトイレに慣れてゆくだけでなく、牢名主のような食事係や、迫りくる荒くれレズビアン、セクハラ看守をむこうに、彼女なりの筋を通しながら対抗してゆきます。登場する女囚たちのキャラの面白さも抜群。彼女たちがなぜ刑務所に入ることになったのか、毎回一人ずつ明かされるそのバックストーリーでは、彼女たちの理不尽な不遇さが描かれ、コミカルなんだけど、女性ならば胸にグッとくる部分もすごく多いはず。パイパーはインテリだけど「この女アホか!」と思うくらい世間知らずだし、ある種の階級意識からくる無神経さがある人ですが、そんな彼女が刑務所を図太く生き抜き、やがて周囲に共感し仲間になってゆく過程がすごく気持ちいい。笑って楽しめ、前向きになれるイチオシ作品です。

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英国貴族のお屋敷で繰り広げられる「渡鬼」

『ダウントン・アビー』(NETFLIX、hulu)

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第一次世界大戦前後のイギリス、「ダウントン・アビー」と呼ばれる城を舞台に、時代の移り変わりの中で生きる侯爵家クローリー一族とその使用人たちのドラマを描いた作品ですが、その面白さは何といっても会話。登場人物には「ボケ」が一人もおらず、誰もが「ツッコミ」的に目ざといのですが、「はしたないので、直接的にツッコミ入れることはいたしません」という感じ。視線や目配せがすごく多くを物語るし、一見そうとはわからない言動の裏に思いや策略が隠されていて、いいタイミングでチクッと言うセリフが効いてきます。常に皮肉たっぷりのいかにも英国婦人の祖母と、持参金で貧乏貴族を救ったアメリカ成金の母のやり取りとか、新しい使用人に意地悪する下僕と侍女の極悪コンビとか、「貴族の遺産は男子しか相続できない」という法律ゆえに相続人に決まった、すごーく遠縁の中産階級のマシューと、相続できない口惜しさと階級差ゆえに彼を蔑む長女メアリーの恋とか、「渡鬼か!」って思うような結構下世話な面白さが山盛りなんですが、これを豪華なお屋敷と衣装、やんごとなき空気感でステキに見せてくれるのが女子には嬉しいところ。来年1月にはNHKで新シーズンが始まりますから、「見たことないけど」という人のキャッチアップにもぴったりです。

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シケた化学教師が“伝説のワル”になるまでを描く「痛快ピカレスク」

『ブレイキング・バッド』(NETFLIX、hulu)

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アメリカ中西部の田舎町に住むウォルター・ホワイトは、妊娠中の妻と脳性麻痺の息子を持つシケた化学教師。ある日肺がんで余命宣告された彼は、家族が食っていくのに困らないだけの金を作ろうと、元教え子の麻薬の売人ジェシー・ピンクマンと組んで麻薬製造を始めることに。オジさんの地味なビジュアルのせいか日本での知名度がイマイチですが、ここ数年に見たアメリカのドラマで最も面白いと断言できる傑作。群がってくるワルたちをラッキーとハッタリと科学の知識でやり過ごし、でもやり過ごすたびにコトは雪だるま式に大きくなり、毎シーズンがのっぴきならない状況で、信じられないほどの冷酷非道なワルが登場し、「えええ~!どうすんの、オジさん!!!」という手に汗握る展開の連続です。大事を次々と乗り越えてゆくウォルターが、自分が口から出まかせで作った伝説のワル「ハイゼンベルグ」になってゆく過程は、毒をもって毒を制するような「痛快なピカレスクもの」の面白さが満点ですが、大切な何かを失ってゆくやるせなさや、西部劇的な荒涼感も感じさせます。シーズン5までありますが、これぞ一気見必至の作品です。必見です。

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エグい政治の裏側で陰謀巡らす、アメリカ版“黒い『半沢直樹』”

『ハウス・オブ・カード 野望の階段』(hulu)

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大統領選挙での献身の見返りに国務長官になるはずが、大統領と首席補佐官にその約束を反故にされた下院議員フランシス・アンダーウッドは、この屈辱を晴らすべく陰謀を巡らせる。ワシントンを舞台に、自分を裏切った連中に罠をしかけ、黒い野望を胸にのし上がってゆく男は、まさにアメリカ版の“黒い『半沢直樹』”。「いい人面」しながら心の内は真っ黒なフランシスが、言動の本当の意味を観客だけに聞こえる「心の声」で皮肉たっぷりに解説するという趣向には、彼と結託して悪だくみしているようなゾクゾク感が。フランシスはもとより、NPOを運営する彼の妻クレア、彼の愛人の女性ジャーナリストでゾーイなど、登場人物たちは強烈な上昇志向で、自分の目的のために周囲を利用し犠牲にして屁とも思わない無慈悲さとクールさ。シーズンを追うごとに、エグさもエロさも倍加してゆくワシントンの政治の裏側は、怖いのに目が離せなくなります~。

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huluの「ウォーキング・デッド」とか、Netflixの「デアデビル」とか、このほかにもおすすめ作品がいっぱいありますが、それはまたの機会に!この休みに、是非トライしてみてくださいね~。

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映画ライター

TVドラマ脚本家を経てライターへ。映画、ドラマ、書籍を中心にカルチャー、社会全般のインタビュー、ライティング、コラムなどを手がける。mi-molle、ELLE Japon、Ginger、コスモポリタン日本版、現代ビジネス、デイリー新潮、女性の広場など、紙媒体、web媒体に幅広く執筆。特に韓国の映画、ドラマに多く取材し、釜山国際映画祭には20年以上足を運ぶ。韓国ドラマのポッドキャスト『ハマる韓ドラ』、著書に『大人もハマる韓国ドラマ 推しの50本』。お仕事の依頼は、フェイスブックまでご連絡下さい。

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