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タイガー・ウッズとドナルド・トランプ次期大統領が、ともにゴルフ!

舩越園子ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授
2013年キャデラック選手権表彰式で握手を交わしたウッズとトランプ(写真:ロイター/アフロ)

アメリカ次期大統領のドナルド・トランプと戦線復帰したばかりのタイガー・ウッズが23日(米東部時間)、ともにゴルフをする予定であることがわかった。

米ゴルフダイジェスト誌によれば、トランプとウッズは、トランプがフロリダ州ウエスト・パームビーチに所有するトランプ・インターナショナルGCでともにラウンドすることになっているという。

ウッズは12月1日からバハマで開催されたヒーロー・ワールド・チャレンジで昨夏以来、1年3か月と数日間ぶりに戦線復帰したばかり。

すでにウッズ自身が大会ホストを務める来年2月の米ツアー大会、ジェネシス・オープンには確実に出場する意志を表明しており、オフを迎えている現在は、単なる戦線復帰にとどまらない“強いウッズ”への復帰を目指し、フロリダ州ジュピターの自宅で練習とトレーニングを積んでいる。

ウッズがオフ期間中に国内外の著名人や他フィールドのアスリートとゴルフを楽しんだ例は過去にもあるが、戦線復帰したばかりのウッズと正式就任を間近に控える次期大統領のゴルフは、いろんな意味で異例と言えるだろう。

トランプとウッズは今回のゴルフが初対面というわけではない。世界選手権シリーズとして今年3月まで開催されていたキャデラック選手権はトランプがフロリダ州マイアミに所有するトランプ・ナショナル・ドラルが大会の舞台だったが、2013年大会を制したウッズに優勝トロフィーを手渡したのがトランプだった。

【ウッズと歴代大統領】

ところで、ウッズとアメリカの歴代大統領が一緒にゴルフを楽しんだ例は結構多い。ビル・クリントン元大統領、ジョージ・W・ブッシュ前大統領、そしてバラク・オバマ現大統領。

2013年2月にオバマ大統領がウッズとゴルフを楽しんだ際は、当時世界ランキング2位だった“強いウッズ”と現役大統領との隠密ゴルフとなり、莫大な費用がかかったと言われている。

あのときオバマ大統領は、まず屈指のゴルフインストラクターであるブッチ・ハーモンのレッスンを受け、それからフロリダ州パームシティへ飛んでウッズと数ラウンドのゴルフを楽しんだ。

ワシントン・タイムズ紙の調査によると、警護のために随行した国防総省の職員、警察官、軍隊、私設セキュリティなどの交通費、宿泊費、食費、人件費を含めると、総費用は驚くなかれ、360万ドル、日本円にして約4億2000万円超。

しかし、今回のトランプとウッズのゴルフは、場所がトランプ所有のゴルフ場で、ウッズの自宅からもほど近いため、経費面では大幅に安く上がるはずだ。

そして何より、現在のトランプはあくまでも次期大統領であって現役大統領ではないところがミソと言えそうだ。トランプ側からすれば、正式就任前の「身軽な今のうちに」というところであろう。

昨年暮れごろからのトランプの一連の過激発言が原因で、トランプとゴルフ界の関係は今年の春夏ごろは険悪になり、欧州ゴルフの総本山R&AやUSGA(全米ゴルフ協会)、PGAオブ・アメリカ、米PGAツアーはトランプ所有コースを試合会場からことごとく外していった。

だが、トランプが次期大統領に選ばれた直後、USGAは2017年の全米女子オープンをトランプ・ナショナル・ベッドミンスター(ニュージャージー州)で開催すると正式に発表。今後はトランプと米ゴルフ界の距離がぐっと縮まっていくのではないかと見られている。

そんな中、ゴルフ界の永遠の王者ウッズとトランプ次期大統領のさっそくのゴルフにおいて、果たしてどんな談義が交わされるのか。

大きな注目が集まりそうだ。

ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授

東京都出身。早稲田大学政経学部卒業。百貨店、広告代理店勤務を経て1989年に独立。1993年渡米後、25年間、在米ゴルフジャーナリストとして米ツアー選手と直に接しながら米国ゴルフの魅力を発信。選手のヒューマンな一面を独特の表現で綴る“舩越節”には根強いファンが多い。2019年からは日本が拠点。ゴルフジャーナリストとして多数の連載を持ち、執筆を続ける一方で、テレビ、ラジオ、講演、武蔵丘短期大学客員教授など活動範囲を広げている。ラジオ番組「舩越園子のゴルフコラム」四国放送、栃木放送、新潟放送、ラジオ福島、熊本放送でネット中。GTPA(日本ゴルフトーナメント振興協会)理事。著書訳書多数。

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