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マスターズ出場も危うい!?用具選びで疲労骨折し、戦線離脱するローリー・マキロイの気になる今後

舩越園子ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授
用具選びのため球を打ちすぎ? 肋骨の疲労骨折で戦線離脱するローリー・マキロイ(写真:ロイター/アフロ)

とても心配なニュースが伝わってきた。

世界ランキング2位のローリー・マキロイが当面、戦線離脱を余儀なくされ、出場スケジュールはとりあえず白紙。

「マスターズ出場も疑問?」

米メディアでは、すでにそんな見出しが踊っている。

北アイルランド出身のマキロイは先週、自身の今年のキックオフ戦を欧州ツアーのサウス・アフリカン・オープンで迎え、スコアや順位では快調な滑り出しを見せたが、その一方で初日に肋骨の痛みが悪化。

「途中棄権を考えた」と言いながらも、痛みをこらえてプレーを続け、最終日はプレーオフにもつれ込んだ末、惜敗し、2位に甘んじた。

「痛みであまり眠れなかった。途中で痛み止めを飲み、今日はテーピングして、なんとかプレーした」と明かしたマキロイ。

「これから数日、ゆっくり休養して、トリートメントを受ければ、きっと大丈夫」と気丈に語ったが、大事を取って翌月曜日にMRIを受けた。

【マスターズ出場も危うい?】

検査結果は、マキロイの想像以上に悪いものだった。

肋骨の疲労骨折。

当面、試合出場にも練習にもドクター・ストップがかかり、今週のアブダビHSBC選手権はすぐさま棄権。

その後に出場を予定していた欧州ツアーのオメガ・ドバイ・デザート・クラシック、米ツアーのジェネシス・オープン、ホンダクラシックは、いずれも戦線復帰するタイガー・ウッズとの競演が期待されていたのだが、すべて出場を見合わせざるを得なくなった。

そのあとに続く世界選手権シリーズのメキシコ選手権とデル・マッチプレー選手権も出場の可否は今はなんとも言えない状況。

すでに米メディアの中には「肋骨の疲労骨折は医師の見立てでは完治まで4週間から8週間。そうなると、マスターズ出場も危うくなる可能性がある」と報じたものもあり、ファンの不安は増すばかりだ。

【なぜ、キックオフ戦で疲労骨折?】

クリスマス、そして年末年始のオフを経て、今年の初戦へ挑んだマキロイ。過密スケジュールをこなしていたわけでもないのに、なぜ、その段階で疲労骨折しているのか。

その理由には、マキロイ自身に心当たりがあるようだ。

「ここ4~5週間、用具選びのために球を打ちすぎた。ドライバーショットもたくさん打った。たぶん、そういうことかな」

マキロイはナイキ契約のプレーヤー。だが、昨年8月に同社がゴルフ用具市場からの撤退を決めたため、以後、マキロイは自身が今後

使用していくクラブ選び、ボール選びを続けてきた。

昨年10月末に上海で開催されたHSBCチャンピオンズではテーラーメイドのドライバーを使用。

そして先週のサウス・アフリカン・オープンではキャロウエイのドライバーでいきなり392ヤードを飛ばし、話題になった。

同大会ではアイアンもキャロウエイを使用。ウエッジとボールはタイトリスト、パターはオデッセイという組み合わせ。

とはいえ、これらは新たな契約先を模索しているのではなく、タイトリストのボールと相性のいいクラブを見つけるための模索。

「2017年はどこのメーカーとも契約する気はない」

性能とパフォーマンスを最優先した用具選びに必死になったことが、肋骨の疲労骨折につながり、今年のキックオフと同時に悪化するという最悪の事態を招いた。

【完治を最優先に】

「(今週の棄権は)非常に残念」と悔しがっているマキロイ。だが、焦りが禁物であることも自身に言い聞かせている様子だ。

「きっちり治したい」

2度に渡る腰の手術を受けたタイガー・ウッズ。2度に渡るスポーツ・ヘルニアの手術を受けたフィル・ミケルソン。昨季終盤に背中痛で棄権を続けたジェイソン・デイ。

故障続きのビッグネームたちが、これからようやく出揃おうとしている矢先のマキロイ故障は残念ではあるが、きっちり治してカンバックしてほしい。

ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授

東京都出身。早稲田大学政経学部卒業。百貨店、広告代理店勤務を経て1989年に独立。1993年渡米後、25年間、在米ゴルフジャーナリストとして米ツアー選手と直に接しながら米国ゴルフの魅力を発信。選手のヒューマンな一面を独特の表現で綴る“舩越節”には根強いファンが多い。2019年からは日本が拠点。ゴルフジャーナリストとして多数の連載を持ち、執筆を続ける一方で、テレビ、ラジオ、講演、武蔵丘短期大学客員教授など活動範囲を広げている。ラジオ番組「舩越園子のゴルフコラム」四国放送、栃木放送、新潟放送、ラジオ福島、熊本放送でネット中。GTPA(日本ゴルフトーナメント振興協会)理事。著書訳書多数。

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