冬場のエアコン温度、何度にする?
政府は2013年11月1日付で電力需給に関する検討会合において、「2013年度冬季の電力需給対策について」を取りまとめ公表したが、それによれば今冬は北海道電力管轄で2010年度比6%以上の電力使用量削減という数字目標を伴った節電が求められた。それ以外の電力管轄では数字目標を定めず、無理のない範囲での節電要請が成されている(2013年12月2日から2014年3月31日までの平日9時から21時、ただし年末年始は除く。北海道・九州電力管轄は8時から21時)。
一方、以前から省エネとの関連で話題に登っていたエアコンの設定温度だが、震災後の電力需給のひっ迫に合わせ、さらに注目を集めるようになった。今冬は北海道電力管轄外では数字目標を伴う節電は要請されていないものの、意識した節電の一環として、適切な温度設定でのエアコン利用が不可欠となる。さて色々と言われている設定温度、果たして世間一般ではどの程度の値なのだろうか。
次以降のグラフはLIXILが2013年10月に発表した自宅における冬の寒さ対策と窓に関する意識調査」のデータを基にしたもの。東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県に居住する20代から60代までの既婚女性を対象にしている。それによると、住宅のタイプ別では冬場のエアコンの暖房設定温度はマンションが25.2度、一戸建てが24.2度という結果が出ている。
最多回答層はマンション・一戸建て共に28度。この温度は夏場の冷房時における設定温度とほぼ同じ(「エアコンの 設定温度は何度かな 「28度」が三分の一」)。「面倒なので夏場も冬場も同じ温度にしてしまえ」という考えなのだろう。
他方、24度から27度の領域はマンションの方が、それ以下の温度では一戸建ての方が回答率が高い。また一戸建ては設定温度がかなりばらついているのが確認できる。これはマンションと比べて一戸建てでは回答者毎の環境差異が大きく、適切な設定温度も違いが生じてしまうのが原因。
住宅タイプで1度ほどの違いがあるが、暖房利用時のエアコンの平均設定温度は24度から25度。これは首都圏に限った話で、個々の居住環境によって臨機応変に対応する必要はあるが、一つの指針として覚えておくとよいだろう。また、エアコンに限らず、ラグやこたつ、靴下、厚手のカーテンの設置などを用い、さまざまな面で暖かさを確保する知恵も働かせるべきである。
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