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職場の昼食代、500円より上か下か?

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ 500円を巡る昼食攻防戦は続く…

購入弁当や外食の平均額はアンダー500円!?

「ワンコインランチ」なる言葉が浸透していることからも分かるように、職場で働く就業者の昼食コストは、500円玉1枚を基準にする風潮が見える。毎年サラリーマンのお財布事情を調査発表している、新生銀行の「サラリーマンのおこづかい調査」でも、この数年は500円台+αで相場は推移している。

↑ 1回あたりの平均昼食代(弁当持参時をのぞく)(勤務日)(円)(-2013年)
↑ 1回あたりの平均昼食代(弁当持参時をのぞく)(勤務日)(円)(-2013年)

この「職場での昼食代」について、属性別に見たのが次以降のグラフ。これはマルハニチロホールディングスが2013年11月に発表した、「ビジネスパーソンのランチと社員食堂に関する調査」のデータを基にしたものだが、昼食時に外食や中食、社員食堂などを利用し、「昼食代をその都度出費している就業者」に対し、その平均額を具体的に答えてもらい、属性別に集計したもの。

↑ 勤務日の昼食におおよそいくら使っているか(平均額、円)
↑ 勤務日の昼食におおよそいくら使っているか(平均額、円)

全体平均では467円。男性は492円で女性の438円と比べ54円ほど高い。男性の方がボリュームを求める傾向が強いため、コストもかかってしまうのだろう。世代別では若年層は安めで、30-40代が高額となり、50代では再び額がわずかだが落ちる。

関心を寄せられるのは役職別。社員や主任、係長レベルでは451円と500円以内に留まっているのに対し、課長以上となると565円で、500円を超えてしまう。やはり役職に応じて懐もある程度充実し、昼食にも余裕が出てくるのだろう。牛丼ならば大盛りにしたり、惣菜を1皿追加する、それ位の贅沢ができる、というところだろうか。

中には1500円以上、100円未満という人も!?

「昼食は外食や中食、社員食堂が多い人」、つまり日常的に昼食へ出費している人の平均金額を具体的に答えてもらった際の、金額区分別分布は次の通りとなる。

↑ 勤務日の昼食におおよそいくら使っているか(数値入力形式)
↑ 勤務日の昼食におおよそいくら使っているか(数値入力形式)

平均額が500円足らずの467円ということで、ボリュームゾーンが500円台、それより下の額での回答率が高めとなっている。また、(特定の場面、あるいは最高額では無く)普段の昼食に使う額として1000円以上との人も5%近く居る。

一方で99円以下という回答も1割近く確認できる。100円台まで含めると11.9%。「一体何を食べているのだろうか」と思案にふけってしまうが、これは多分に社員食堂の利用者と考えられる。企業の福利厚生の一環として極めて安価、あるいは無料で食事を提供する社員食堂が整備されている企業なら、昼食費用もこの程度で済む。

「500円」という金額は、500円玉の存在により、単なる数字以上にきりの良い額面として用いられるようになった。就業者の昼食市場も、多分にこの「500円玉」に影響を受けている雰囲気がある。あるいは景気が良くなり、昼食への出費に余裕が出てきた時点で、1000円玉なるものを展開させれば相場もその金額で固定されるのでは……と考えるのも面白そうだ。

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「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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