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喫煙率が一番高いのはどの都道府県だろうか

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ 公共機関でもよく見かける禁煙マーク。喫煙者には肩身の狭い時代に

他の先進諸国同様日本でも喫煙率は減少傾向にある。たばこの自販機数は大きく数を減らし、販売本数は毎年下落し続け、数々の調査結果でも喫煙率は減り続けている。しかしながら日本国内のあらゆる場所で一様に喫煙率は同じでは無く、喫煙者が多い地域、少ない地域があるはず。今回は厚生労働省の国民健康・栄養調査を基に、都道府県別の喫煙率を確認することにした。

次なるグラフは男性成人における「習慣的に喫煙している人の割合」を都道府県別に記したもの。残念ながら現時点では直近(2012年分)の女性のデータは公開されておらず、男性のみでの確認となる。

まずは全都道府県を網羅した一覧。

↑ 現在習慣的に喫煙している者の割合(2012年、20歳以上、男性、年齢調整済み)
↑ 現在習慣的に喫煙している者の割合(2012年、20歳以上、男性、年齢調整済み)

印象的には喫煙率の高低はかなりばらけており、大雑把な地域別傾向は無いように見える。あえて言えば東京圏と大阪圏において、他の場所よりもやや低めかな、という位。また、東日本が幾分高いようにも見える。

これを上位・下位のみ抽出して順序立てて並べたのが次のグラフ。

↑ 現在習慣的に喫煙している者の割合(2012年、20歳以上、男性、年齢調整済み)(上位10位)
↑ 現在習慣的に喫煙している者の割合(2012年、20歳以上、男性、年齢調整済み)(上位10位)
↑ 現在習慣的に喫煙している者の割合(2012年、20歳以上、男性、年齢調整済み)(下位10位)
↑ 現在習慣的に喫煙している者の割合(2012年、20歳以上、男性、年齢調整済み)(下位10位)

もっとも喫煙率が高いのは福島県で39.7%。次いで青森県の39.6%、北海道の39.5%が続く。上位陣のラインアップを見ると、多少ながらも東日本に上位陣が多い雰囲気。他方下位陣では神奈川県の25.0%がもっとも低く、次いで奈良県の26.9%、奈良県の26.9%と続く。下位層は(当然)上位層とは逆に、西日本地域の県が多いように見える。

また最上位と最下位との差には15%ポイント近い差が生じている。今回喫煙率でもっとも低い神奈川県では、2010年4月1日から公共施設内での禁煙を条例化している(神奈川県公共的施設における受動喫煙防止条例)。同県における禁煙化への積極的な動きが、喫煙率の低さとして反映されたのだろう(「かながわのたばこ対策 > 条例のパンフレット・リーフレット」)。

↑ 神奈川県の神奈川県公共的施設における受動喫煙防止条例に関するパンフレット
↑ 神奈川県の神奈川県公共的施設における受動喫煙防止条例に関するパンフレット

自治体単位での健康面における積極的な啓蒙・施策活動が、大きな成果の実態として、別調査で確認できた、比較的珍しい例といえる。

なお女性は男性とは異なる喫煙傾向を有することで知られている。果たして地域別でも男性同様、あるいは男性とは別の傾向を持った上での、違いが存在するのだろうか。今後の詳細面でのデータ公開を待ちたいところだ。

■関連記事:

2013年の全体喫煙率20.9%、女性はわずかに上昇

漸減男性・女性は中堅層が漸増…世代別成人喫煙率をグラフ化してみる(2013年)(最新)

「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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