スマホで1日3時間ネットアクセス・高校生のネットライフ今事情
高校生のネットライフタイムは?
スマートフォンの普及により一挙にインターネットが身近になったのは大人だけに限らない。高校生界隈においても、急速に、そして確実にインターネットは浸透し、ライフサイクルに組み込まれ、時間を支配しつつある。その実情を2014年5月に情報通信政策研究所が発表した「高校生のスマートフォン・アプリ利用とネット依存傾向に関する調査」の結果から知ることができる。
次のグラフはその高校生における、一日あたりの各機器別ネット利用平均時間を示したもの。属性別に非利用者も含めた平均を示している、つまり「利用者内の利用時間平均」では無いので、利用者そのものが少なければ時間も少なくなりやすい。また携帯電話とは従来型携帯電話(フィーチャーフォン)とスマートフォンの双方を合わせたもの。
全体平均ではパソコンが40分、携帯電話が162分、タブレット機が14分。タブレット機の利用率はパソコンや携帯電話と比べて低いので(大体1割から2割)、利用者率そのものの低さが平均利用時間を抑えている。
属性別では、パソコンやタブレット機では変化はさほどないが、携帯電話では「男性よりも女性が長い」「高学年よりも低学年の方が利用時間が長い」といった流れが読める。最大で男女差では50分ほど、学年別では30分近い差が生じている。これは理由が2つほど考えられる。
1つ。女性の方が口コミ系の利用率が高いことや、高学年ほど勉学に集中しなければならないこと。そしてもう1つ、多分にこちらの方が主の理由となるが、女性・低学年ほどスマートフォンの利用率が高いので、その分携帯電話の平均利用時間を引き延ばす。
スマホのあるなしで大きな違い
それを裏付けるのが次のグラフ。スマートフォンを利用しているかいないか別にネットの平均利用時間を算出したところ、利用者の方が圧倒的に長い。非利用、つまり従来型携帯電話保有者などと比べ、4倍もの差が生じている。
注目すべきはスマホの利用状況とパソコンのネット利用時間との関係。スマートフォン「非」利用者の方がパソコンによるネット利用時間が長い。またタブレット機の利用時間も長い。スマートフォン利用者がパソコンやタブレット機の代替、補完をスマートフォンにさせていることが分かる。
「高校生では低学年ほどスマートフォン利用によるインターネットアクセスは長時間」との現状に関しては、スマートフォン利用率が影響しているものと考えれる(低学年の方がスマートフォン利用率が高い)。これは普及過渡期に見られる特異現象で、数年もすれば全学年でほぼ変わらない比率になるはず。もちろん勉学に勤しむために利用時間を減らす面もあるため、その分は高学年の方が低い値となるのも一因だが。
「ながら利用」があるとはいえ、スマートフォンだけでも1日に3時間インターネットへのアクセスは結構長い時間(仕事で使うわけではないことに注意)。保護者をはじめ周辺の人達は、高校生のインターネット利用について、特段の配慮が求められよう。
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