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スマホや画像アップローダーに「転載禁止」と「自分のID」付きの透かしを入れる機能が欲しい

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ 景品のサンプル画像で良く見られる「転載禁止」の文字。これが気軽に…なら嬉しい

先日長野で発生した地震に際し、自宅の機材が大きく散乱した情景をツイッター上にアップロードしたところ、その画像が当人の許可なくテレビ報道で用いられるという事案が発生した。現時点のツイッターにおける規約を確認すると(「ブロードキャストでのツイート利用に関するガイドライン」)、

・「広告」「製品、またはサービスの保証」での使用は不可

・作品に対してTwitterが後援、承認、関連することを意味するものでは無い

・許可無く製品名にTwitterの商標を使用することはできない

・すべての法律、法令、条例及び該当の放送基準や要件の遵守を含め、視聴者へのコンテンツの提供に関する法令を確認し遵守するように求める

・画像を表示する際には必ずTwitter birdを表示すること

などとあり、この規定にそった利用では無い可能性が多分にある(「昨晩の長野での地震で部屋が大変なことに→ツイッターに惨劇アップ→NHKで様子が報じられる→「聞いてないよ」的なお話」)。

この地震の際の情景写真による騒動はあくまでも一例だが、以前「画像にはトレードマークやアカウント名の記載が望ましい」でも言及の通り、画像を観る機会がある利用者側の立場でも、その画像が誰によるものなのかを見間違い、無断転用したものを評価してしまうリスクを考慮し、「無断転用禁止」などのロゴが画像上にかぶさった上で掲載されるのが望ましい場合もある。いわゆる絵師と呼ばれる人たちによる独自のイラストでは賛否両論あるが(絵そのものを元絵のままで見てほしい)、イベント会場における写真、情景写真をはじめとした実写の場合は、転用リスクを考えると、何らかの措置を求める人は多いはず。

↑ 例えばこのように、写真の上にかぶさる形で転用禁止であることが分かるようにする
↑ 例えばこのように、写真の上にかぶさる形で転用禁止であることが分かるようにする

上の事例なら転載禁止であること、撮影主が「@Fuwarin」であることが分かり、それ以外の人が自分の撮影であるかのように公開していた場合、盗用の可能性が高いと判断できる。

このような画像処理はフォトショップをはじめとした画像処理ソフトがあれば容易に可能ではあるのだが、昨今多くの人が行っている投稿スタイル「スマートフォンで撮影してその場ですぐにソーシャルメディアに掲載」では、その処理は難しい。というより面倒。

そこで、

(1)スマートフォンで写真を撮影する際に、自動的に薄い文字で「(無断)転載禁止」「掲載者のIDや名前」が入るモードの実装

(2)画像アップローダー使用時、あるいはソーシャルメディアにアップロードを行う際に、「掲載者のIDや名前」「(無断)転載禁止」が薄い文字で自動的に入るモード

の実装が求められることになる。撮影した写真はそのまま素で残しておきたい、使いたい人も多いことを考えると、(1)よりは(2)の方が現実的かもしれない。ともあれ利用者に極力負担が無く、しかも実用的で、現在多くの人から求められている機能であることに違いは無い。入る文字のカスタマイズも出来るとありがたい。あるいは既存の一部アップローダーに実装されているオーバーレイ機能に少々手を加えるだけで、容易に実現する話ではある。

無論この機能を悪用し、他から転用した画像を自前のように見せかける事案が発生することも想定される。そのような悪行を行う人は多分に同様の行動を多々見せることになるので、さかのぼって精査すれば容易に真偽が判別するだろうが、ぱっと見では誤魔化される人も出てくるだろう。

いたちごっこの感はあるものの、少なくとも現状より状況は改善されると思うのだが、いかがだろうか。

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「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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