この頃流行のカット野菜、その利用度合いは?
サラダ用は独身男性から熱い視線
袋から取り出して皿に盛り、ドレッシングなどをかけるだけですぐにサラダとして食べられる、あるいは調理の際に素材として使えるよう適切な大きさに切り分けた状態で販売されている、便利なカット野菜。この流行の食材の消費性向をJC総研が2014年12月に発表した「野菜・果物の消費行動調査」から探る。
次に示すのは属性別のサラダ用カット野菜の摂取頻度を、週あたりの日数ベースで示したグラフ。元々今調査の調査項目ではカット野菜の摂取頻度について週あたりの利用日数を「ほぼ毎日」「週3~4日」「週2~3日」「週1日」「週1日未満」「まったく食べない」のいずれかで答えてもらった結果が提示されているが、それを基に概算平均値を算出している。
全体平均では0.96日。一週間にほぼ1日の割合でサラダ用のカット野菜を使っていることになる。細かい属性別では女性よりも男性、既婚者よりも未婚者の方が多く、特に未婚男性では1.57日という高値が出ている。調理の手間をかけずに気軽に野菜を食すことができるのが、重宝されているのだろう。実際、詳細を見ていくと単身男性や20代の人はほぼ1割が、毎日サラダ用カット野菜を食べているとの結果も出ている。そしてそれらの人たちにおいては、全然食べない事例は3割程度でしかない。
世代別に見ると大よそ若年層の方が利用頻度が高く、20代では1.46日。ただし70代以上になるといくぶん頻度が再上昇していく。こちらもまた、調理の手間の観点で考えれば、値が増えるのは納得がいく。
料理用カット野菜では?
サラダ用では無く、調理用のカット野菜の消費性向はどのような具合だろうか。
やはりサラダ用カット野菜と似たような傾向が確認できる。全体では0.75日/週。これが既婚男性では0.90日/週、さらに単身男性では1.10日/週にまで跳ね上がる。世代別でも20代が一番多く、歳と共に漸減し、70代以上で再び跳ね上がる。理由もまた恐らくはサラダ用カット野菜同様、調理の手間が省けることに加え、多様な食材をいちどきに気軽に摂取できる強みが好まれているのだろう。
調理の仕方を学べない、購入者の立場からはコストが割高などの批判・弱点もあるが、カット野菜の市場が拡大傾向にあることは間違いない。すでに多くの人のハートをとらえている単身男性や若年層に限らず、今後は女性陣や高齢層における需要の増加動向に、大いに注目したいところだ。
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