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3年で大きく変化するソーシャルメディアなどの利用状況

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ 人とのコミュニケーションツールとの観点ではどれも同じだが

インターネット上のサービスを巡る技術革新や影響力の変化は加速の中にあり、年単位で流行りすたりは大きく移り変わりを示していく。現在日本で主流とされるいくつかのソーシャルメディアなど、具体的にはLINE、Facebook、Twitter、そしてmixiに関し、この3年の利用状況の変化を、総務省情報通信政策研究所が2015年5月に発表した「平成26年 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」などから確認する。

次以降に示すのはそれらの利用状況。LINEは厳密にはソーシャルメディアでは無いが、今回は同一視する。

まずはLINE。

↑ ソーシャルメディア利用状況(LINE)
↑ ソーシャルメディア利用状況(LINE)

若年層、特に10代から20代の利用率が高い。特に2012年から2013年にかけて急速に普及が進んだ様子が分かる。学生・生徒(中学生から大学生)では2012年の時点ですでに45.3%が利用しており、2013年ではそこから30%ポイント近い上昇を示し、3/4の利用率に達している。ほぼ同時期にはスマートフォンの普及も急速に進んでおり、スマートフォンの利用とLINEが一体化したかのような連動性を示していることが理解できる。

伸び率のみで見ると、若年層よりはむしろ中堅層以降の方が急激とも言える。30代から50代における急上昇は、子供との連絡用として導入したことも十分考えられる。

続いてFacebook。

↑ ソーシャルメディア利用状況(Facebook)
↑ ソーシャルメディア利用状況(Facebook)

LINEほどではないが、やはり2012年から2013年に大きな飛躍が起きている。もっとも20代から50代と就業者の範ちゅうでの伸びが著しく、学生・生徒や10代では大きな上昇がないことから、ビジネス的な利用目的で始めた人が多かった可能性はある。

TwitterはFacebookを一回り小さくしたような動き。

↑ ソーシャルメディア利用状況(Twitter)
↑ ソーシャルメディア利用状況(Twitter)

2012年から2013年にかけての大きな動きは10代と20代で顕著だが、それ以外の属性では見られない。少しずつ利用率が高まる形。一方でFacebookでも見られた傾向だが、10代よりも学生・生徒の値が大きく、学生間でFacebookやTwitterが率先して使われ、浸透している様子が分かる。LINEが10代と学生・生徒の値の差がほとんど無かったのと比べて特徴的ではある。

最後はmixi。

↑ ソーシャルメディア利用状況(mixi)
↑ ソーシャルメディア利用状況(mixi)

上記3サービスとは大よそ逆の動き、年を経るに連れて利用者が減少する動きを示している。特に2012年から2013年にかけて若年層、具体的には10代から20代、学生・生徒の減り方が著しく、とりわけ10代と学生・生徒では半分以下にまで落ち込んでいる。同時期にLINEが急速に伸びた動きを示している状況と合わせ考えると、相関関係をもとにした推論でしかないが、多分のmixi若年層利用者がLINEに流れたと見ても不思議ではない。

全体では2012年から2014年にかけて利用者はほぼ半減。10代に限れば1/7強にまで減ってしまっている。

今件調査は都合3年分しか行われておらず、今後毎年データが蓄積される形となる。来年以降の動向が大いに気になるところだ。

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シニアのソーシャルメディア利用、一番人気はFacebook

主要ソーシャルメディアなどの利用状況をグラフ化してみる(2015年)(最新)

「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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