トップは東京都の19.8%…都道府県別タブレット型端末利用率動向を探る
都道府県別・タブレット型端末によるネットアクセス利用状況
主に屋内での移動用端末としてパソコンのサブマシン的な、あるいはスマートフォンの上位機種的立場で使われているタブレット型端末。昨今では子供向け玩具としても注目を集めているが、その利用率動向を総務省の「通信利用動向調査」の結果から都道府県別で確認していく。
次に示すのは各都道府県別のタブレット型端末によるインターネット利用率。例えば北海道では16.6%との値だが、これは調査対象母集団(6歳以上)の北海道在住者全体のうち16.6%が、タブレット型端末でインターネットを利用していることを意味する。北海道に住むインターネット利用者のうち16.6%では無い。
東京を中心とした関東圏、福岡県などの九州北部圏など、人口密集地帯・都市地域で比較的高い値を示している。一方で、それ以外の地域のうち、人口が比較的少なめな都道府県では値が低く抑えられている感はある。
都道府県別に仕切っても、2割はまだ超えていないものの、多くでは1割前後の値を示している。かつてタブレット型端末といえば「iPad」のみが知られ、半ば以上「タブレット型端末」イコール「iPad」であり、高級サブマシン的な存在として認知されていた。そして外で実際に使っている様子を目に留めた際には、ついレアなアイテムを見つけたかのような、好奇心のまなざしを向けてしまっていたものだ。そのような状況からは、大きな変化が生じていることに違いは無い。
なお上位10位の地域は次の通り。
最上位は東京都の19.8%、次いで京都府の18.2%、愛知県の17.7%、神奈川県の17.6%。奇しくも15%を超える地域がそのまま上位10位と重なっている(第11位の滋賀県は14.9%)。そして多くは人口が多い地域。
前年からは確実に増加する利用率
前年の同一条件下での調査結果と比較し、その差異を算出した結果が次のグラフ。
北海道、愛知県、香川県で5%超えが確認できる。利用率そのものはまだ低い状態にあるが、1年で急激な変化が生じるほどのトレンドは起きていないようだ。
機動力や必要性、利用ハードルや価格の違いから、タブレット型端末はスマートフォンほどの加速感で普及しているわけではない。直近の2014年末分の各調査結果を精査する限りでは、スマートフォンの浸透率がやや低い幼少児や一部のシニア層において、多少ながらも他の世代と比べると高い値が見受けられる。スマートフォンのようにはっきりとした形で「人口密集地帯=若年層比率が高いエリア」ほど高利用率との結果が出ないのも、この特性によるものと思われる。
タブレット型端末の普及率上昇は、特に屋内系ネットアクセスの機動力の向上に加え、電子書籍の普及にも一役買うことになる。日本でもアメリカ同様の高い普及率(4割以上のとの調査結果もある)を果たし、電子書籍関連の市場発展に寄与してほしいものだ。
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