これは納得、経済や政治さらには生活・健康よりも人気のネットニュースのジャンルとは
一番人気はスポーツ・芸能
紙媒体の新聞同様多様なジャンルが満ちあふれるネット上のニュース達。どのような種類のものが良く読まれているのだろうか。財団法人新聞通信調査会が2015年10月に発表したメディアに関する全国世論調査(2015年8月21日から9月8日にかけて住民基本台帳からの層化二段無作為抽出法によって抽出された18歳以上の男女5000人に対し、専門調査員による訪問留置法で実施)の結果から確認していく。
今調査対象母集団では閲覧頻度を問わなければ66.1%の人がインターネットでニュース(と回答者が認識しているコンテンツ)を閲覧している。
それではこれらの人達は、主にどのようなニュースに目を通しているのだろうか。「よく読む」と認識しているジャンルに複数回答で答えてもらった結果が次のグラフ。回答しなかった項目のニュースを読まないのではないことに注意。
もっともよく読まれている記事は「スポーツ・芸能」。次いで「社会」。ここまでが5割超えで、それ以下は4割に届かない。「生活・健康」「経済」「政治」はほぼ横並び、そこから一段下がって「国際情勢」、「文化」などが続く。
経年による変化では一部をのぞきわずかだが増加している。インターネットのニュース読者が、少しずつ幅広い方面に目を向き始めているのだろうか。
これを属性別に確認したのが次のグラフ。
男女別では「スポーツ・芸能」「社会」に差は無いが、「政治」「経済」は男性、「生活・健康」は女性の方が関心・閲覧率は高い。若年層から中堅層までは「スポーツ・芸能」で高い関心を持ち、「政治」「経済」は成人でないと閲読性向は低い。「社会」は30代がピークだが、60代までは高値を維持している。
これらの動きは大よそインターネット上で示される属性別の趣味趣向、興味のあるコンテンツのジャンルの仕切り分けと一致しており、注目すべき動向ではある。
紙の新聞とネット上のニュース、読まれ方の違い
今調査の別項目で尋ねられている、紙媒体の新聞における閲読性向と比較し、一致性のあるジャンルを抽出。「よく読む記事」の違いを確認したのが次のグラフ。項目の並びはインターネットニュースにおける高値順にしている。
紙媒体の新聞ではジャンル別の差異があるにしてもごく少数で、少なくとも(全体として読んでいる人のうち)8割以上の人が「よく読む」と回答しているが、インターネットニュースの場合は「よく読む」ジャンルが極めて限定的であることが分かる。これはインターネット上の情報を取得する上での行動性向としてありがちな「利用者が好む、興味のある情報しか入手しない」動きを如実に表していると考えられる。
紙媒体の新聞を読む人は、一通り目を通す、少なくとも複数のジャンルを読むが、インターネット上のニュースの場合は各種カスタマイズをしたり好きなカテゴリの最新情報を確認し、それのみを読む人が多いと見れば、両者の閲読性向の違いも説明できる。
閲読回数が評価・成果を支える上で大きな要素となる、現在のインターネットニュースのビジネスモデルにおいては、色々と考えさせられる結果には違いない。
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