一般道で後部座席のシートベルト着用率は35%
JAF(社団法人日本自動車連盟)と警察庁は2015年11月20日、自家用乗用車などの利用者を対象に同年10月に実施した「シートベルト着用状況全国調査」の結果を発表した。一般道での運転者の着用率は前年比プラス0.2%ポイントの98.4%、高速道路などでは前年比マイナス0.1%ポイントの99.4%と高い割合だったのに対し、後部座席はそれぞれ35.1%(プラスマイナスゼロ)・71.3%(プラス1.0ポイント)だった。
シートベルトは正しく着用することで、「確実に」交通事故による犠牲者が減ることは数字の上でも証明済み。「警察庁の広報ページ「命を守るシートベルト~全ての座席で着用しましょう」でも「車外放出による非着用者の致死率は着用者の約14倍」「非着用死者の車外放出の割合は着用者の約22倍」など、それを裏付ける値が呈されている。また後部座席乗員のシートベルトに関しては、着用を怠ることで事故時における自身の車外放出による死亡リスクが上昇する(約13倍)だけでなく、事故時の挙動により前席乗員の頭部へケガを負わせるリスクも大きく増加する(約51倍)などの問題もある。関係者・団体による啓蒙活動などが功を奏し、少しずつ着用率は上昇しているが、いまだ100%には至っていない。
2008年の改正道路交通法施行(後部座席も含めた全席シートベルト着用義務化)に伴い、後部座席においても着用率は2008年から急激な上昇を示している。それでも高速道などで7割強・一般道では3割強と、前部座席と比べて着用率はまだ低く、さらなる啓蒙が必要とされる。
さらに全般的には高速道などにおける着用率の方が、一般道と比べて高い。これは高速道の方が運転速度が速く、その分事故の際のリスクが大きい(と認識されている)ため、運転者なども身構え、気をつける割合が高い結果によるもの。しかしながら一般道での走行速度でも、万一の際におけるシートベルトの着用の有無による「リスク」の差は極めて大きい。
「普通の道路の速度なら、シートベルトをしなくても問題ないだろう」「事故など滅多に起きない」「面倒くさい」「きゅうくつだから」「目的地まで数分で行けるから」「エアバッグがあるから」「注意しているから事故など起こすはずがない」「後ろの座席は安全だから」との油断は禁物。ここ数年は後部座席でも着用率は少しずつ上昇しているものの、それでもまだ運転席における着用率と比べればはるかに低い。「自動車に乗ったらまずは全員がシートベルト」を習慣とするよう、運転手も同乗者も皆、心がけてほしい。
特に後部座席に座る子供は、シートベルトの着用を嫌がる傾向がある。その時にはまず運転席・助手席などの親が着用し、その姿を自慢しながら教え諭すことをお勧めする。子供は概して親の真似をするもの。親が積極的に、嬉しそうにシートベルトをすることで、子供も積極的につけるようになるに違いない。
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