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米英仏中韓タイ、日本や他国をどれだけ好きか、その実態

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ 諸外国の人達の日本へ、そして他国への好感度を探る

国の政策は国民感情のみで決定されることは無いが、少なからぬ影響を受けるのもまた事実。現状の各国国民の国民感情を把握しておくことは、決して無意味な話ではない。そこで諸国の日本に対する、そして他の国への好感度の実態を、新聞通信調査会が2016年4月に発表した、アメリカやイギリス、フランス、中国、韓国、タイへのメディアに関する世論調査「諸外国における対日メディア世論調査(2016年調査)」(アメリカ合衆国、イギリス、フランス、中国、韓国、タイに対し、2016年1月から2月に実施。アメリカ合衆国・イギリス・フランス・韓国は電話調査、タイと中国では面接調査。調査地域は中国・タイは都市圏、それ以外は全国。回収サンプル数は各国約1000件)の内容を元に確認していく。

今調査結果においては、日本は欧米諸国からは約7割、タイからは9割、中韓からは3割前後の好感度を得ている。

↑ 日本に好感を持てるか(とても+ややの合計)
↑ 日本に好感を持てるか(とても+ややの合計)

次に示すのは、その対日本も含めた調査対象国各国における、自国以外の国への好感度の指標。好感が持てる(強弱)、好感を持てない(強弱)、加えて実質的にもう一つの選択肢である無回答(あるいは分からない)も合わせ5択のうち、強弱を合わせた好感が持てる派の回答率を合計した値。日本は調査実施国では無いので掲載されておらず、また各国において自国の部分は空欄となっている。

↑ 対象国に好感が持てる人の割合(2016年)
↑ 対象国に好感が持てる人の割合(2016年)

各国の市民感情としての他国への敬愛度、好感度が良く現れている。アメリカ合衆国は日本以外では英仏への値が高く、タイは6割近くと高め。中韓へは4割程度に留まっている。イギリスやフランスも似たようなものだが、イギリスではアメリカ合衆国よりもフランスへの値が高めなこと、中国の値が高く出ていること、フランスでは日米英でほぼ同率の高い値が出ていることなど、それぞれの国の特性が出ている。

タイは押し並べてどの国へも好感度が高いが、唯一中国は5割程度。韓国では日本に対する値が一段と低いが、タイへの値も低め。アメリカ合衆国への好感度が一番高く、中国への値は同国内では低めとなっているが、これでも今回調査対象となった諸国では一番高い値でもある。

中国はといえば、英仏への好感度が一段と高く8割超え、次いで韓国が3/4。タイへの好感度は6割とそれなりで、アメリカ合衆国に対する値は6割足らず。そして日本は一段と低く1/4程度でしかない。

これらの値はあくまでも一般市民の思惑であり、各国の政府や行政などの姿勢とは別物。とはいえ民主主義国家では多分に市民感情なるものが国策に影響を与えうることを考えると、無視できない結果には違いない。

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「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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