男性2割強、女性も1割を超える…生涯未婚率の現状
男女の未婚状況を示す指標の一つに「生涯未婚率」がある。特定年齢層の未婚率から算出したものだが、この値は年々増加しつつある。その現状を、先日2015年調査分の速報値が発表された国勢調査における、これまでの公開値を元に探る。
「生涯未婚率」は言葉通り、その時点において今後一生涯結婚しないであろう人の割合を示す。生涯を通して実際に未婚だった人の割合では無いことに注意。死別や離別などの理由で配偶者と別れ、現在独身の人もまた「未婚」には該当しない。公益財団法人 生命保険文化センターの解説によると、
「45~49歳」と「50~54歳」未婚率の平均値から、「50歳時」の未婚率(結婚したことがない人の割合)を算出したものです。生涯を通して未婚である人の割合を示すものではありません。ただし50歳で未婚の人は、将来的にも結婚する予定がないと考えることもできることから、生涯独身でいる人がどのくらいいるかを示す統計指標として使われます。
とある。この定義を元に、各国勢調査の調査年における「生涯未婚率」を算出していく。なお法的な結婚状態には無いが両者合意のもとに同棲状態にある人(事実婚)の場合、今回の結婚状態には含まれない。また性交渉の有無は今件とは関係ない。
次に示すのはその定義に基づいて算出した、戦後の生涯未婚率の推移。
男性は1985年から上昇勾配がキツくなり、1995年以降はほぼ一直線での増加。直近分の2015年では前回の2010年から2.7%ポイントも増え、1/4に届かんばかりの状態。
一方女性は1975年からはほぼ横ばいの動きを示していたが、1995年からは上昇に転じ、次第に伸び方が急上昇を示している。そのカーブの変容からは、明らかに何らかの状況変化が起きたのが分かる。結婚願望に係わる他調査の結果を見るに、経済面・趣味趣向の多様化・価値観の変化など、結婚を取り巻く環境の変化が、特に女性における結婚への心理的姿勢を変化させた可能性が高い。
また少数ではあるが、上記で指摘したように、統計上は未婚扱いではあるものの、事実婚の状況で異性と同居(同棲)しているケースも想定される。これもまた価値観の多様化によるものといえよう。
今件は原則的に国勢調査の結果に基づいて算出ができるため、次の動向を確認できるのは2020年以降となる。直近数回分の傾向を継続するのなら、2020年分は男性は24~25%、女性は15%強の値になるものと思われる。他の結婚関連の値と共に、今後の値動きに注目したいところだ。
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