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ソーシャルメディアは実のところ、どれほどの頻度で使われているのだろうか

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ 多様な情報が分進秒歩で更新されるソーシャルメディア。その利用頻度は

利用者中3/4の人が毎日使っているソーシャルメディア

リアルタイムで自分の見知りたい人たちのやり取りが記録され閲覧できる、そして特定の人との間で秘匿情報の交換も可能な、デジタルな情報伝達の手段を多様に備えたソーシャルメディア。かつての電子メール以上に貼り付き、夢中になる人が増えている。その利用頻度の実情を、総務省が2016年8月に詳細値を発表した「通信利用動向調査」の公開値をもとに確認する。

次に示すのはソーシャルメディアを使っている人(インターネット利用者の49.0%、調査対象母集団全体比では37.2%)において、どの程度の頻度でアクセスしているかを尋ねたもの。赤系統ほど高頻度、青系統ほど低頻度の利用状況となる。

↑ ソーシャルメディアの利用頻度(2015年、利用者限定)
↑ ソーシャルメディアの利用頻度(2015年、利用者限定)

全体では75.0%が毎日、18.3%が週一以上。ほとんどの人が習慣的に使っている実情が確認できる。

男女別では中堅層までは女性の方が高頻度だが、高齢層になると男女差はさほど無くなる。そして概して歳が若いほど高い利用頻度を示している。さすがに6~12歳(小学生)では毎日使っている人は半数程度しかいないが、13~19歳(中高生)になると男性で8割強、女性では9割近くが毎日使うようになる。もっとも20代に入っても8割強が毎日利用派。女性は中高生とさほど変わらないレベル。

この「若年層ほど高頻度」は年齢との連動なのか、それとも世代連動なのかは現時点では判断は不可能。極論として10年後に同じ調査を実施して、10年区切り部分の回答値が1区分ずつ右にずれるようならば年齢連動では無く世代連動となる。もっとも、ソーシャルメディア自身の便宜性・操作性の向上や必要性・重要性の積み増し、操作する端末の高性能化などを考えれば、年単位における年齢区分での上昇、例えばシニア層でも毎日利用者が増えるような状況は十分に考えられる。

回答者のソーシャルメディア利用の目的別アクセス頻度は次の通り。ただし目的に関しては複数回答であるため、例えば「暇つぶし」の回答者がソーシャルメディアへのアクセスは暇つぶしのみを目的としているわけではないことに注意が必要。回答時に想起できる、主要な目的との意味合いで解釈すれば問題は無い。

↑ ソーシャルメディアの利用頻度(2015年、利用者限定)(ソーシャルメディアの利用目的別)
↑ ソーシャルメディアの利用頻度(2015年、利用者限定)(ソーシャルメディアの利用目的別)

利用目的別では「自分の情報発信」「暇つぶし」「ストレス解消」といった自己欲求のきわめて強い目的、「同じ趣味や悩み、保有者との交流」「昔の知人探し」「災害情報収集など」のような早期の情報取得が求められるものを目的とする人の、利用頻度が高めに出ている。他方、「知人とのコミュニケーション」「情報探索」のような、必要時に利用ができればよい類の目的意識を持つ人の頻度は低め。とはいえいずれもが実質的に8割以上において毎日アクセスをしており、ソーシャルメディアが多様な目的で手放せない存在となっている実情がうかがえる。

都道府県別ではどうだろうか

半ば酔狂的な話ではあるが、公開統計データを用いて都道府県別のソーシャルメディア利用頻度を確認したのが次のグラフ。最高利用頻度に該当する「毎日利用者」の値を抽出したものだが、最大値と最小値との間で17.3%ポイントもの差が出ている。

↑ ソーシャルメディアの利用頻度(2015年、利用者限定)(毎日利用者)(都道府県別)
↑ ソーシャルメディアの利用頻度(2015年、利用者限定)(毎日利用者)(都道府県別)
↑ ソーシャルメディアの利用頻度(2015年、利用者限定)(毎日利用者)(都道府県別)(上位15地域)
↑ ソーシャルメディアの利用頻度(2015年、利用者限定)(毎日利用者)(都道府県別)(上位15地域)

もっとも高頻度でソーシャルメディアを使っているのは奈良県で、利用者の83.3%が毎日利用している。次いで静岡県、兵庫県、山梨県。グラフ化は略するが、もっとも頻度が低いのは沖縄県の66.0%、次いで福島県の66.2%、山口県の67.8%。

利用頻度に関しては地域別の傾向や特性は特に確認できない。人口密集地ほど高頻度、南にいくほど利用頻度が高いなどのような、何らかの値との連動性は見出せなかった。何か関連性を持つ値があれば面白かったのだが。見方を変えれば、インターネットによる提供サービスで地域との関係要素が無い以上、傾向的な違いは生じ得ないのかもしれない。

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「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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