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見た目、経済力、学力、それよりも…未婚の人が異性の相手を選ぶとき考慮するポイントは?

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ 世の中には多様な人がいるが、その中から自分の相手を選ぶ際には…

異性と親しい関係を求め、結婚を意識する際には、何らかの点で相手に自分の好みを覚えていることになる。人は異性に対し、いかなる点を「結婚を想定した付き合い」の考慮対象としているのだろうか。国立社会保障・人口問題研究所が2016年9月に発表した、日本国の結婚や夫婦の出生力の動向などを長期的に調査・計量する「出生動向基本調査」の結果から確認していく。

次に示すのは独身男女(18~34歳)に向けて、結婚相手となる異性を決める時に、その人の条件として、どの程度考慮・重視するのかに関して、複数の項目を提示。それぞれの項目において「重視する」「考慮する」「あまり関係ない」のうち1つを選択してもらい、そのうちウェイトを置いた値をカウントしたもの。例えば男性の「人柄」は76.6%が重視、18.6%が考慮、合わせて95.2%との値が出ているので、未婚男性が相手の女性を選ぶ際に、人柄に関しては3/4強が重視し、2割近くが考慮をし、合わせて9割強が何らかの形でウェイトを置くと読める。

なお横軸の項目は男性の合計値の高い順とし、男女で比較がしやすいようにしている。

↑ 結婚相手を決めるときどの程度重視するか(2015年)(18~34歳、未婚者、いずれ結婚するつもりの人、男性)
↑ 結婚相手を決めるときどの程度重視するか(2015年)(18~34歳、未婚者、いずれ結婚するつもりの人、男性)
↑ 結婚相手を決めるときどの程度重視するか(2015年)(18~34歳、未婚者、いずれ結婚するつもりの人、女性)
↑ 結婚相手を決めるときどの程度重視するか(2015年)(18~34歳、未婚者、いずれ結婚するつもりの人、女性)

男女とももっともウェイトを置く対象とされているのは「人柄」、次いで「家事・育児の能力や姿勢」。続いて男性では「仕事への理解協力」が続くが、女性はわずか0.1%ポイントではあるものの「経済力」が上位に付き、「仕事への理解協力」はその次。夫婦生活では男性が世帯を経済面で支える大黒柱となることから、女性が男性に経済力への期待を寄せるのは当然の話。一方男性は女性へ「経済力」はあまり求めておらず、4割程度でしかない(ただし「経済力」の具体的説明は無いので、単なる収入能力だけでなく、金銭感覚なども合わせ回答されている可能性は多分にある。4割の値が出たのもそれが一因だろう)。「経済力」と連動性の高い「職業」もまた、女性は高い値を示しており、男性は低めに抑えられている。

男女間の関係の話では良く話題に登る「容姿」だが、男性は8割強、女性は3/4強。順位はそれぞれ4位、6位にとどまっており、さほど高くは無い。また「共通の趣味」は同程度で、それぞれ7割強・3/4程度。とはいえ、いずれも過半数を超えており、ウェイトか高い項目には違いない。

見方を変え、「重視」のみで見返すと、男女ともに「人柄」の圧倒感が目立つ。そして「家事・育児の能力や姿勢」「仕事への理解協力」かトップ3であることも男女変わらず。女性が男性と比べて「経済力」を重視している点も同じだが、回答率は4割足らずにまで落ち込む。そして「容姿」「共通の趣味」に至っては1割から2割程度でしかなく、検証対象の項目には違いないものの、ウェイトは軽い要素であることが分かる。

今件は未婚男女が結婚相手に何を求めているのか、男女の差異も合わせ注目に値する結果ではある。実際には個人個人の価値観や解釈、判断基準で大きな違いが生じるのは言うまでもないが、一般論として認識しておくのは十分に意義のある話。

実のところ報告書では今件項目に関しては1992年分からの調査結果も併記されているのだが、経年変化として目立つ動きが無く、今回は省略した。あえていえば昔より今の方が男女を問わず、「経済力」「職業」「容姿」を重視することが増えているぐらいだろうか。

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「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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