Yahoo!ニュース

ネットニュースを見る時には何を使うのだろうか

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ 電車内でも気軽にニュース閲覧。スマホが主流のように見えるが(ペイレスイメージズ/アフロ)

昨今ではインターネット経由で多種多様なニュースを読むのが当たり前となりつつある。では人々はどのような機器でニュースを閲覧しているのだろうか。財団法人新聞通信調査会が2016年10月に発表したメディアに関する全国世論調査(※)の結果をもとに、その実情を確認していく。

今調査対象母集団においてインターネットを用いてニュース(と回答者が認識できる情報)を取得している人は全体で69.6%、「毎日」の閲覧頻度で限れば42.9%に達している。その人たちに、インターネットでニュースを見る際にどのような機器を用いているのかに関し、複数回答で尋ねた結果が次のグラフ。

↑ インターネットニュースを見る時に使用する機器(複数回答、見る人限定、2016年度)
↑ インターネットニュースを見る時に使用する機器(複数回答、見る人限定、2016年度)

スマートフォンあるいは従来型携帯電話を用いている人が77.2%で最上位。多分にスマートフォンであることは容易に想像ができるが、今調査では分離した形での問い合わせをしていないため、実情は不明。次いでパソコンが45.6%、タブレット型端末が13.5%と続く。「その他」は家庭用ゲーム機やスマートテレビだろう。

今件を性別・年齢階層別に確認したのが次のグラフ。あくまでもインターネットニュースを読んでいる人、つまり少なくともインターネットを利用している人に限定した回答率であることに注意。

↑ インターネットニュースを見る時に使用する機器(属性別、複数回答、見る人限定、2016年度)
↑ インターネットニュースを見る時に使用する機器(属性別、複数回答、見る人限定、2016年度)

スマートフォンなどによる利用率は男性よりも女性が高く、パソコンは男性の方が高い。それぞれ日常生活・就業時の利用性向がそのまま反映されている。年齢階層別では40代まではスマートフォンなどが9割前後と高く、30代まではパソコンの値は3割前後に留まっている。40代を過ぎると、パソコンの利用率が跳ね上がり、同時にスマートフォンなどの値が落ち、両者は60代で逆転する。それぞれの端末の普段における使われ具合が見えてくる。

他方、タブレット型端末は性別や年齢階層別の利用性向にさほど変わりはない。20代がやや低い程度。端末そのものの利用性向と同じく、絶対値は低めなものの、属性による差異が出にくい、稀有な普及状況にあることがあらためて確認できる。多分に個人ベースでは無く、世帯ベースでの所有・利用がなされていることの裏付けとも言えよう。

やや余興になるが、これをインターネットニュースの利用者では無く、全体比を算出した結果が次のグラフ。それぞれの機器の普及率も反映されたもので、利用実態を把握するのにはこちらの方が分かりやすいかもしれない。

↑ インターネットニュースを見る時に使用する機器(属性別、複数回答、全体比、2016年度)
↑ インターネットニュースを見る時に使用する機器(属性別、複数回答、全体比、2016年度)

全体比でも18歳から30代までは9割超、40代まで合わせても8割超えで、スマートフォンなどを用いてインターネットニュースを閲読している。頻度までは分からないものの、端末の利用性向からは、決して低い頻度ではないことは容易に推測できる。大いに注目すべき結果には違いない。

※メディアに関する全国世論調査の調査要綱

2016年8月19日から9月6日にかけて住民基本台帳からの層化二段無作為抽出法によって抽出された18歳以上の男女個人5000人に対して、専門調査員による訪問留置法によって行われたもので、有効回答数は3308人。有効回答者の属性は男性1568人・女性1740人、18-19歳70人・20代306人・30代460人・40代539人・50代524人・60代696人・70代以上713人。

■関連記事:

新聞一番テレビが二番…メディアへの信頼度、テレビと新聞の高さ継続

結局は配信元の信頼度の問題…「インターネットの信頼度」の中身を探る

「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

不破雷蔵の最近の記事