米国人の多くは「自分は大量情報化社会を上手く生き抜ける」との自信を持っている
インターネットやスマートフォンの普及に伴い、人類が体験したことのない情報化社会が到来している。人々は大量の情報に飲み込まれず、巧みに使いこなす自信を有しているのか。アメリカ合衆国の民間調査機関であるPewResearchCenterが2016年12月付で発表した報告書「Information Overload」(※)から、同国の認識に関して確認していく。
アメリカ合衆国の成人においては、現状の大量情報化社会に対し、情報過多でオーバーロード感を覚える人は少数派に留まっている。
それでは具体的に、大量の情報に対してどのような自負、自信を抱いているのだろうか。その度合いを尋ねた。
情報が昔と比べて桁違いに増えている現状でも、その波に飲み込まれること無く泳ぎ切り、上手く立ち振る舞えるとの自信を持つ人は8割強。難しいとの懸念を持つ人は2割足らずに留まっている。
そして現状への対応だけでなく、今後さらに情報量が増えても十分な処理余力があるとの自負を持つ人もほぼ8割。ただしこちらは強度の肯定派は4割強に留まり、いくぶん自信の強度が弱い人が増えている。そして流れ来る情報の信頼性を判断するのは大よそ簡単で、自分は間違った情報に踊らされることは無いとの自信を持つ人もほぼ8割。
上記のグラフの「情報の過負荷状態」を自覚する人が2割で、見方を変えると「情報化社会を乗り切れる」とした人の8割と、自信の度合いはほぼ一致している。クロス回答値は非公開だが、多分にだぶっていることは容易に想像できる。
情報量の多さへのプレッシャーを感じる度合いはそれほど多くは無い。
行政機関などで必要となる提示情報の多さに面倒くささを覚える人は4割強。大量の情報を前に、確認しなければならない量にうんざりしてしまう、ストレスを覚える人は4割程度。さらに情報が多すぎてほしい対象を見つけ出すのが難しいと感じる事がある人は3割強に達している。しかしいずれの状況でも過半数は「情報の存在量ややり取りにおける量が多くてもストレスは感じない、うんざりしない、戸惑ったりしない」とし、自分の情報処理能力に自信を抱いている。
これらの自信が情報大国アメリカを支えている、あるいは逆で情報大国であるからこそ、これらの自信を有することができるのかもしれない。
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※Information Overload
2016年3月7日から4月4日にかけて、18歳以上のアメリカ合衆国居住者に対して電話回線経由で行われたもので、有効回答数は1520人。うち381人は固定電話、1139人は携帯電話(そのうち636人は固定電話無し)。国勢調査の結果などに基づいたウェイトバックが成されている。