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輝く上原浩治の勝負食!

萩原智子シドニー五輪競泳日本代表

アスリートがベストパフォーマンスをするために重要になってくるもののひとつに、「食事」がある。車のガソリンと同じで、人間も食事をパワーに変えている。食事は、体調管理に大きな影響を及ぼす。

全米でも人気のフェンウェイパーク
全米でも人気のフェンウェイパーク

現在、大リーグ・ワールドシリーズで活躍中のレッドソックス上原浩治投手のパワーの源が知りたくて、食事についてインタビューさせて頂いたことがある。上原投手は、渡米して5年、クローザーとして、絶対的な信頼を得ている。

そんな上原投手のアメリカでの食生活を支えているのは、レッドソックスのチームに帯同している日本人コックさんだ。チームに専属と言うこともあり、球場で3食ごはんを食べる。他の球団には日本人コックさんがいない現状を知る上原投手は、「ボストンは本当に恵まれているんですよ。」と笑顔。疲れているときなどは、うどんをリクエスト。日本人として、恋しくなる「おにぎり」も、常に用意されている。

上原投手の勝負食は「オムレツ」

上原投手の勝負食はオムレツ!
上原投手の勝負食はオムレツ!

上原投手のTwitterをチェックすると、「オムレツ」に関するtweetが多い。日本にいたときからの習慣で、投げる日はオムレツを食べると決めていると言う。若い頃、新聞を読んでいたら、星野仙一監督(東北楽天ゴールデンイーグルス)が選手時代にオムレツを食べて優勝したという記事を読み、影響を受けた。このオムレツには、少しでも強くなりたい、先輩へ追いつきたい、と言った憧れから始まったローテーション。それに加え、アメリカでも、オムレツはどこに行っても食べることが出来る。食べられなくて困ることがないことも、上原投手の勝負食となっている理由なのかもしれない。

「おかんのお好み焼き」も元気の源

背番号19に込めた想い
背番号19に込めた想い

上原投手の背番号が19番になった理由は、19歳のときに大きな挫折を味わい、その悔しさを忘れたくないからという話は有名だ。さまざまな挫折を乗り越えてきた上原投手が、家庭で食べた思い出の食事は、母親が作るお好み焼き。今でも、シーズンオフの時には、実家へ帰り、いつも食べる。「おかんのお好み焼きは、毎年食べます。好きやからね。ジャイアンツにいたときも、大阪から東京に戻る最終日に作ってもらって、シーズンがまた始まるなって感じで……。」勝負の地へ旅立つ前に食べる「おふくろの味」は、上原投手の背中を何度も押してきた。

続けて、上原投手は、こう話してくれた。「食べられるだけで幸せやなって思います。ぼくは特別裕福な家庭でもなかったので、食べられるだけで幸せだな。」と。

輝かしいプロの道で脚光を浴び、大リーグのマウンドで活躍している投手となった今でも、初心を忘れてはいない。どんなに環境や状況が変わっても、上原投手の心は変わらない。

感謝の気持ちと共に、強い信念と心身に沁みる温かい食事があるからこそ、輝き続ける……。

シドニー五輪競泳日本代表

1980年山梨県生まれ。元競泳日本代表、2000年シドニー五輪に出場。200m背泳ぎ4位。04年に一度引退するが、09年に復帰を果たす。日本代表に返り咲き、順調な仕上がりを見せていたが、五輪前年の11年4月に子宮内膜症・卵巣のう腫と診断され手術。術後はリハビリに励みレース復帰。ロンドン五輪代表選考会では女子自由形で決勝に残り意地を見せた。現在はテレビ出演や水泳教室、講演活動などの活動を行っている。

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