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ドコモがLTE-Aを開始。UQギガ放題にどう対抗するのか 石川 温の「スマホ業界新聞」Vol.117

石川温ケータイ/スマホジャーナリスト

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石川 温の「スマホ業界新聞」

2015/02/07(vol.117)

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《目次》

1.NTTドコモが高度化C-RANでキャリアアグリゲーションを開始

━━「ギガ放題のUQ」にどう対抗していくのか

2.ソニーが2017年度に売上高9000億円から1兆1000億円を計画

━━高付加価値路線で販売台数減少を視野に入れたのか

3. ドコモ光開始で、家電量販店での接客を強化するKDDI

━━セット割も同質化が進む中、最後のダメ押しはau WALLET?

4.今週のリリース&ニュース

5.編集後記

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1.NTTドコモが高度化C-RANでキャリアアグリゲーションを開始

━━「ギガ放題のUQ」にどう対抗していくのか

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NTTドコモは3月よりキャリアアグリゲーションを開始する。

すでにキャリアアグリゲーションはKDDIが先行して大々的に導入しているが、NTTドコモではカテゴリー6の導入に合わせる形でサービスを開始。下り最大で225Mbpsを実現させるという。また周波数帯の使い方によっては、262.5Mbpsのエリアも将来的にはあり得るようだ。

NTTドコモではキャリアアグリゲーションの開始に合わせ「高度化C-RAN(Centralized-Radio Access Network)」という技術を導入する。

通常、基地局には無線部と制御部という2つが存在するが、高度化C-RANでは制御部を切り離し、複数の基地局の制御部を一カ所で集中して管理するしくみとなっている。一つの制御部で最大48カ所の基地局の無線部を管理することで、効率的な制御ができるようになるという。

NTTドコモでは、すでに2003年からこうした取り組みを行っているが、カテゴリー6を組み合わせることで、高度なキャリアアグリゲーションを提供できるようになる。例えば、マクロセルのなかにスモールセルの基地局を複数配置するといったことが可能となり、端末はマクロセルとスモールセルの間でキャリアアグリゲーションができるだけでなく、スモールセルをまたいでもハンドオーバーを起こすことなく、安定した通信を持続できるようになる。

これはマクロセルもスモールセルも同じ制御部で管理しているからこそ実現できるものなのだという。こうしたハンドオーバーは制御部内で処理してしまうため、コアネットワークへの負荷も軽減できるということだ。

NTTドコモのネットワーク思想としては、スモールセルは当然のことながら、都心部のトラフィックの高いところから集中して配備していくようだ。実際、スモールセルのアンテナは、設置場所によるが、半径100メートル程度しか電波を飛ばさないことで。ターミナル駅の改札前などピンポイントで設置し、トラフィックを高速化、安定化させられる。

今回、NTTドコモでは下り最大225Mbpsを提供するが、一方で、UQコミュニケーションズは下り最大220Mbpsながら使い放題となっている。

「NTTドコモは高度化C-RANなどを導入することで使い放題を実現できるのか」という点が気になるが、そのあたりをLTEの父である尾上誠蔵R&Dイノベーション本部長に疑問としてぶつけたところ、

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ケータイ/スマホジャーナリスト

日経ホーム出版社(現日経BP社)に入社後、日経TRENDY編集記者としてケータイ業界などを取材し、2003年に独立。現在は国内キャリアやメーカーだけでなく、グーグルやアップル、海外メーカーなども取材する。日経新聞電子版にて「モバイルの達人」を連載中。ニコニコチャンネルでメルマガ「スマホ業界新聞」を配信。近著に『これからの5Gビジネス』(エムディーエムコーポレーション刊)がある。

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