大学のふるさと納税特典、どうでしょう?~ふるさと納税と教育その2
ふるさと納税シリーズの続き。
前回は、ふるさと納税を高校でも活用したらどうか、という話でした。
今回は、大学編です。
まずは現状(2015年4月25日現在)から。
寄付税額:1万円以上
特典:同志社関連グッズ/同志社マフラータオル(100cm×24cm) ・同志社リーフクッキー(6枚入り)
……。高校が10校以上ある中で大学はこれだけ。
しかも、同志社大生協サイトによると、リーフクッキーが540円、タオルが1440円、合計1980円。
寄付税額1万円で寄付者の実質負担額は2000円ですから、うーん、微妙……。
高校がふるさと納税に特典を提供するとすれば、
「教育活動による成果物」
これがどうしても中心になってしまいます。
だからこそ、農業高校や商業高校などが中心になっているわけで。
しかし、そうした実業高校だけでなく、普通科でも書道・手芸などで特典を提供している高校があることは前回、ご紹介しました。
となれば、大学ならもっと可能なはずです。
それから、大学の場合、高校以上に充実した施設を揃えています。
この施設利用を提供する、という方法もあります。
さらに、高校が教育期間3年であるのに対して、大学は4年間。実習の一環でふるさと納税特典を絡める、という方法もあるはず。
というわけで、高校編に引き続き、「勝手にふるさと納税特典・大学編」です。
※高校編同様、2015年4月時点での石渡の空想の産物です
●近畿大農学部
・近大マグロセット(中トロ、赤身刺身各100グラム)/1万円以上
・近大農学部丸ごとセット(近大マグロ中トロ・100グラム、近大マンゴー2L玉・2玉、「近大卒の魚と紀州の恵み 近畿大学水産研究所」コース料理お食事券ペア)/5万円以上
食品栄養学科による「あなたの店(家庭)のメニュー開発」(1回分の食材提供付き)/20万円以上
【寸評】農作物提供は良くある話。となれば、近畿大なら近大マグロしかありません。
とは言え、この後追いで近大マンゴーも始めているのでそれも提供。
さらに管理栄養士養成学科である食品栄養学科でメニュー開発も提供。
●東京工芸大芸術学部マンガ学科、京都精華大マンガ学部、武蔵野美術大など
・学生製作の似顔絵/1万円以上
・あなたの個人史、漫画にします/10万円以上
【寸評】似顔絵は、北海道当麻町で実施。
実習の一環で、描かせるのもいいのではないでしょうか。さらにそれを高度にしたのが、個人史の漫画化。
似顔絵よりもさらに漫画のスキルが問われるわけで、実習としても面白そう。
●愛知学院大法学部、島根大法文学部など
・模擬法廷での裁判シミュレーション/5万円以上
【寸評】法科大学院の募集停止が相次いでいるわけですが、そこで宙に浮くのが模擬法廷。
せっかく作った施設なのにもったいない。ということで教員・法学部生などをエキストラ・裁判官役にして、裁判シミュレーションに参加してもらう。
裁判の内容、被告役・原告役などは寄附者と相談しながら決定。
●大阪観光大、城西大観光学部、明海大ホスピタリティ・ツーリズム学部など
・学内ホールでの結婚式開催権(サービス要員は学生、料理等は大学側負担、一定レベル以上は寄付者の実費負担)/50万円以上
【寸評】観光・サービス系学部では、ウエディングプランナー・ホテル志望の学生が多い。しかも、学内に大きなホールがあるならこれを使わない手はない。寄付者からすれば、実質負担10万円で結婚式を開けるので、格安。親族などに権利譲渡できるようにしておけば、応募が殺到?
●東京国際大国際メディア学科、武蔵大社会学部など
・あなたの個人PV、製作します/5万円以上
【寸評】メディア系学科はスタジオまで作るところ多数。兵庫県多可町のような「ニュースキャスターになれる権利」もいいけど、それよりはもっと手軽なところで個人PV製作。
編集作業などを学生にやらせれば実習としていい経験に。
まだあるけど、この辺で。
大学の場合、ネタは山ほどあるわけで、あとは、実施の手間と大学へのリターン(大学への寄付額、教育効果、宣伝効果など)を考えれば、実施に踏み切る大学、ぼちぼち出てきそうです。