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ブラジルW杯イケメン選手の“ここ”がすごい!

河治良幸スポーツジャーナリスト

ブラジルW杯まで1カ月を切った。日本代表の躍進はもちろん、メッシやクリスチアーノ・ロナウドなどスーパースターの活躍も期待されるわけだが、今回はW杯をより楽しむため、ちょっと通なイケメン選手にフォーカスしてみたい。

ゲストにお招きしたのは「ニコ生サッカーキング」で何度かご一緒させていただいている南葛シューターズ長谷川ゆうさん。女子ならではの目線と“戦術女子”の異名を取るほど豊富なサッカー専門知識を併せ持つ彼女に3人のイケメン選手をピックアップしてもらい、プレーの魅力を掘り下げた。

◆“王子さま風”の見た目だがアグレッシブ

ニコ・クラニチャール(クロアチア代表/クイーンパーク・レンジャーズ)

河治 ゆうさんがピックアップしたW杯に出場するイケメン選手の1番目はクロアチア代表のニコ・クラニチャールです。得意の似顔絵を描いてきてもらいました。

長谷部 はい。似ていますかね~?

画像

ニコはほんとイケメン。もうちょっと騒がれてもいいかなと思いますよね。顔だけならベッカムよりイケメンじゃないかなと私は思うんですけど。

河治 もう29歳だけど、顔が若い時から全く崩れていないというか。

長谷川 これからも安定してこの顔なのかなと思いますよね(笑)

河治 さっそくプレーについて掘り下げてみましょうか。

長谷川 すごく視野の広い選手だし、パスで周りを活かせるけど、それだけかと思いきや自分でもガツガツ仕掛ける。王子さま風の外見とは違って、けっこうドリブラーだなというイメージがありますね。

河治 イケメンだけど体つきはガッシリしていますよね。2006年のW杯で日本代表がクロアチア代表と対戦した時に、現在は解説者としてご活躍の福西崇史さんがまだ若かった彼とマッチアップして、厳しく当たってもなかなか倒れなかった。

長谷川 それはイケメン対決ですね(笑)

河治 いや~ほんとうに。それから代表にずっと定着して、もう80試合以上も出ている。キャリア的には代表の重鎮と言ってもいい存在。一般的に欧州の人は10代から20代にかけて外見の変化が早いけど、クラニチャールはあんまり変わってないですよね。

長谷川 ヒゲが生えていても爽やかさが残っています。女の子で彼が嫌いと言う人はあんまりいないだろうなと。

河治 ただ、2006年のW杯に出て、日本とも対戦している割にはあまり騒がれなかった。その後、主役の座をモドリッチ(レアル・マドリー)に持って行かれたのもありますけどね。2人で同時に出ていたりもするけど。

長谷川 実際のところクラニチャールはそんなにプレーが目立つ選手ではないですけど、「あ、そこ見ていたんだ」という場所にパスを出しますよね。あと華麗ではないですけど、ドリブルのセンスはすごくある。例えば味方とのコンビネーションで一気に2人を突破するシーンなんかもあるので、頭はすごく使っているのかなと。

河治 本当はトップ下の選手だけど、チーム事情でサイドをやることもあって、いいクロスを出しているイメージもあるけど、昔はモドリッチがライバルで、現在は若いコバチッチ(インテル・ミラノ)がトップ下の主力候補でいる。そこで競争が激しいから、うまく試合に出てくれるといいですよね。

長谷川 ただ、コバチッチよりプレーできる範囲が広くて色んな使い方をできるから、フィールドにはいてくれるのかなとは思います。

河治 一番の注目はブラジル戦になってきますけど、パウリーニョ(トッテナム)やルイス・グスタボ(ヴォルフスブルク)との対決とか、サイドに流れればダニエウ・アウベス(バルセロナ)との勝負とか。そうしたマッチアップでクラニチャールが何とかできるか、また慣れないブラジルの環境で最初にどのぐらいできるか。ただ、経験あるからね。周りの選手をうまく引っ張っていってくれるといいかなと。結果的にクロアチアが決勝トーナメントに残ればより注目されるけど、同じ組に5大会連続でベスト16のメキシコもいるので。

長谷川 予想が難しいグループかなと思いますね。クロアチアにはエースのマンジュキッチ(バイエルン)とモドリッチのラインはもちろんあるけど、そこ対するマークは当然厳しくなるので、クラニチャールの役割も大事になってきます。どのポジションに入るかで役割も変わってきますね。

河治 体の強さは本当にあるから、当たられてもしっかり耐えられますけどね。中盤でタメを作って、そこから一発のパスでも崩せるという。助走なしでも強いボールが出せるから。

長谷川 代表だけで16得点を記録している様にゴールへの意識も高い選手ですよね。前目の方で出来れば。

河治 今回はまさに集大成というか、ここで活躍できるかでキャリアの評価も変わってくるでしょうね。モドリッチと1歳しか違わないけど。もともとはモドリッチがクラニチャールの陰に隠れる様な存在で、そこからモドリッチが逆転したけど下がり目のポジションになって、クラニチャールも幅広くできるので同時にプレーできているというか。

長谷川 開幕戦から登場するので、男子にも女子にも注目して欲しい選手です!

◆髪型もプレーもしっかりした安定のイケメン選手

ミゲウ・ベローゾ(ポルトガル代表/ディナモ・キエフ)

河治 他にお勧めの選手は誰でしょう?

長谷川 ポルトガル代表のミゲウ・ベローゾですね。

河治 なるほど。ポルトガルというとクリスチアーノ・ロナウド(レアル・マドリー)に注目が行きがちだけど、イケメン度では負けてないですからね。ポジションは[4-3-3]の中央になると思うけど、プレースタイルはどう見ていますか?

長谷川 ポルトガルはハイプレスで連動していくので、そこで真ん中がしっかりしていないと崩れやすい部分はありますよね。

河治 中盤ではジョアン・モウチーニョ(ポルト)という選手が司令塔としてロナウドなどアタッカーを活かしているイメージがある中で、ベローゾはイケメンだけど仕事人というか。日本でいうと山口蛍(セレッソ大阪)に近いのかな。遠藤保仁(ガンバ大阪)でも長谷部誠(ニュルンベルク)でもなくて。

長谷川 本当に万能タイプというか、守備的にも攻撃的にも対応できる。センターバックもこなせるぐらい真ん中でしっかり仕事ができるタイプですね。

河治 彼は2010年のW杯にも出ていて、大会前から“第二のベッカム”くらいの位置付けで言われていたわりには、日本で流行らなかったのは残念だったというか。

長谷川 髪型ですかね(笑)ベタっとしているじゃないですか。日本人が真似たい髪型じゃなかったのかな。ただロナウドも固めてはいるので、ポルトガルはきちっと固める選手が多いですよね。

河治 ポルトガルは左サイドバックのファビオ・コエントラン(レアル・マドリー)もイケメンとして通っているけど、どんなイメージですか?

長谷川 ワイルドなイケメンという感じですね。でも個人的にはベローゾの方がいいかな(笑)。

河治 ロナウドはスーパースターで有名すぎるけど、ポルトガルが厳しいG組を勝ち上がってくると、彼らの注目度もアップしていくよね。ここを抜けると相手はH組で、ベルギーもロシアも強いけれど“列強国”ではないのでポルトガルにもチャンスが出てきます。日本とは勝ち上がってもベスト4まで当たらないけど。

長谷川 日本もベスト8でスペインかブラジルと当たりそうなブロックですからね。とりあえずは両国を応援する感じで。

◆イケメン・アフリカンの代表格。

セルジュ・オーリエ(コートジボワール代表/トゥールーズ)

河治 3人目はちょっと意外なところ?

長谷川 コートジボワール代表のオーリエ。ちょうど日本代表と最初の試合で対戦する選手ということもあって注目です。

河治 アフリカ系は日本人の女性にとって少しとっつきにくいイメージがあるけど、オーリエは端正な感じで、好きな人は好きでしょうね。

長谷川 強そうだけど爽やかそうな部分もあって。コートジボワールはアフリカの中では組織的なイメージがあるんですけど、オーリエは右からのクロスでいいものを持っている。サイドを駆け上がって前線のドログバ(ガラタサライ)とかを活かしてくる選手なのかなと。

河治 ジェルビーニョ(ローマ)というドリブラーがオーリエの前にいて、フォローする形が多いですね。日本戦では香川真司(マンチェスター・ユナイテッド)とマッチアップするのかな。これは楽しみですね。香川がオーリエをどう破るか、逆にオーリエが香川の背後を突いて攻め上がっていけるか。香川もマンチェスター・ユナイテッドで守備意識が高くなっているけど、タイミング良く上がられると付き切るのが難しいですよね。

長谷川 長いボールをドログバに当ててくることもあるので、そこで日本のディフェンスが間延びしちゃうケースがあると思うんですけど、そこでチャンスを作られる起点はだいたいサイドバックの上がりなので、注意しないと厳しくなるかなと。

河治 オーリエは左サイドバックもこなすので、例えば本来センターバックのコロ・トゥーレ(リバプール)が香川を止めるために右サイドを担当するとなれば、左に回って岡崎と当たる可能性もありますけどね。

長谷川 タイプが全く違うから、そこは観る方としては面白いですよね。

河治 コートジボワールはトゥーレ・ヤヤ(マンチェスター・シティ)とかドログバに注目が行きやすいけど、これかでルックスが良くて、しかも強くてクレバーな選手がいるというのは知っておいて損は無いよね。

長谷川 やっぱりディフェンスって注目されにくいと思うんですけど、オーリエは見ていて面白い選手かなと。私もサッカーをする時はディフェンスなので気になりますね。ただ、コートジボワールは強いけど崩れやすい部分もあるので、日本らしくパスをつなぐ手もありますけど。前線でかき回す様なタイプというか。状態が良ければ齋藤学(横浜F・マリノス)の様なドリブラーは有効だし、大久保嘉人(川崎フロンターレ)も入ったので、彼の強さを活かしていくのもいいかなと思います。

河治 確かに。大久保とオーリエがサイドで攻防するのも見てみたいですね。今日はありがとうございました。

長谷川 ありがとうございました。今回は独断で3人を取り上げましたけど、彼らにも注目していただきながら、それぞれのファンが外見的にもプレー的にもお気に入りの選手を見付けて楽しんでほしいと思います。

スポーツジャーナリスト

タグマのウェブマガジン【サッカーの羅針盤】 https://www.targma.jp/kawaji/ を運営。 『エル・ゴラッソ』の創刊に携わり、現在は日本代表を担当。セガのサッカーゲーム『WCCF』選手カードデータを製作協力。著書は『ジャイアントキリングはキセキじゃない』(東邦出版)『勝負のスイッチ』(白夜書房)、『サッカーの見方が180度変わる データ進化論』(ソル・メディア)『解説者のコトバを知れば サッカーの観かたが解る』(内外出版社)など。プレー分析を軸にワールドサッカーの潮流を見守る。NHK『ミラクルボディー』の「スペイン代表 世界最強の”天才脳”」監修。

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