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日本男子テニス史上初の快挙! 錦織圭が、3年連続でATPワールドツアーファイナルズの出場を決める!!

神仁司ITWA国際テニスライター協会メンバー、フォトジャーナリスト
ツアーファイナルズに3年連続で出場を決めた錦織圭(写真/神 仁司)
ツアーファイナルズに3年連続で出場を決めた錦織圭(写真/神 仁司)

10月10日付けのATPランキングで、5位から4位へ浮上した錦織圭が、ATPワールドテニスツアーの最終戦であるワールドツアーファイナルズ(11月13日~20日、ロンドン開催)への出場を3年連続で決めた。

ツアーファイナルズは、シーズンの成績上位8人だけが出場を許されるエリート大会で、日本男子として3年連続出場は、史上初の快挙だ。

2014年も2015年も、レギュラーシーズン最後の大会であるマスターズ1000・パリ大会で出場を決めていたが、今回は10月12日に決めて、錦織自身にとっては最速で出場権を決めたことになる。

ジャパンオープン2回戦で、左でん部に軽い肉離れを起こして、試合途中棄権負けをした錦織は、マスターズ1000・上海大会(10月9日~16日)を欠場しているが、上海での2回戦が終了した時点で、出場権を争うRace to London で7番目のラファエル・ナダル(3245点、10月10日付け以下同、スペイン)、9番目のトーマス・ベルディヒ(2870点、チェコ)、10番目のマリン・チリッチ(2580点、クロアチア)、いずれも2回戦で敗退したため、4360点の錦織は、5番目にツアーファイナルズの出場権を確定させた。

「今年、ロンドンにカムバックできることになりエキサイトしています」(錦織)

2016年シーズンの錦織は、ここまでマッチ52勝16敗。ツアー優勝は、メンフィス大会での1回だけだが、テニス4大メジャーであるグランドスラムのUSオープンでベスト4、オーストラリアンオープンでベスト8。また、グランドスラムに次ぐグレードのマスターズ1000のマイアミ大会とカナダ大会で共に準優勝を果たし、これまで以上に大舞台で安定した強さを発揮することができた。

「ここまでとても安定した年となりました。再びエリートグループの一員になれて興奮しています」(錦織)

今後、バーゼル大会(10月24日~30日)での復帰を予定している錦織だが、ツアーファイナルズの出場が確定したことによって、全く無理をする必要はなくなった。回復具合にもよるが、しっかり完治させてから、マスターズ1000・パリ大会(10月31日~11月6日)で復帰しても問題はないだろう。そして、コーチやトレーナーとよく話し合って、ツアーファイナルズで最大限の力を発揮できる戦略を立ててほしい。

ノバク・ジョコビッチ(1位)やアンディ・マリー(2位)は、依然として錦織にとって強敵であるのは変わりないが、錦織がベストコンディションなら、ツアーファイナルズでも優勝争いに加わることができるはずだ。

今季の集大成となるツアーファイナルズで、錦織がどんな好プレーを見せてくれるのか、本当に楽しみでならない。

ITWA国際テニスライター協会メンバー、フォトジャーナリスト

1969年2月15日生まれ。東京都出身。明治大学商学部卒業。キヤノン販売(現キヤノンMJ)勤務後、テニス専門誌記者を経てフリーランスに。グランドスラムをはじめ、数々のテニス国際大会を取材。錦織圭や伊達公子や松岡修造ら、多数のテニス選手へのインタビュー取材をした。切れ味鋭い記事を執筆すると同時に、写真も撮影する。ラジオでは、スポーツコメンテーターも務める。ITWA国際テニスライター協会メンバー、国際テニスの殿堂の審査員。著書、「錦織圭 15-0」(実業之日本社)や「STEP~森田あゆみ、トップへの階段~」(出版芸術社)。盛田正明氏との共著、「人の力を活かすリーダーシップ」(ワン・パブリッシング)

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