Yahoo!ニュース

ワールドツアーファイナルズに挑む錦織圭。「8人の中でどう戦っていくかというのがチャレンジになります」

神仁司ITWA国際テニスライター協会メンバー、フォトジャーナリスト
3年連続でATPワールドツアーファイナルズに挑む錦織圭(写真/神 仁司)
3年連続でATPワールドツアーファイナルズに挑む錦織圭(写真/神 仁司)

錦織圭が、今年も男子ワールドテニスの世界最高峰の戦いに挑む。

ATPワールドテニスツアーの最終戦であるワールドツアーファイナルズ(11月13日~20日、ロンドン・O2アリーナ)に、錦織が3年連続で出場する。もちろん日本男子として、史上初の快挙だ。

ツアーファイナルズは、シーズンの成績上位8選手だけが出場を許されるエリート大会。誰もが出場できる大会ではなく、出場できるだけでも一つのステイタスとも言えるのだが、錦織は、これまで以上にトッププレーヤーとしての意識が高くなってきて、自分が目指すべきものも自ずと高くなってきている。

「当たり前のように感じていますね。ここにいるのが3年目ですし、今回は早目に出場が決まった(10月上旬)のもありました。たぶん毎年ここに入るのがもちろん目標ではありますけど、だんだん目標も上がっていくと思いますね。1年目は、やっぱりわからないことだらけでしたし、ここにいれることで、すべての幸せを味わえた。今は、ここにいなきゃいけないというか、入れないともちろんだめですし、この8人の中でどう戦っていくかというのがチャレンジになります。それが上に行くために必要なこと。どこまで上にいけるかというのが、大きな目標になってくると思います」

ツアーファイナルズでは、出場選手8人を、4人ずつの2グループに分け、ラウンドロビン(総当たり戦)を行う。各選手は3試合を戦って、各グループの成績上位2名が、準決勝へ進出することになる。

錦織(ATPランキング5位、11月7日付け、以下同)は、アンディ・マリー(1位)、スタン・バブリンカ(3位)、マリン・チリッチ(7位)と同じグループに入った。マリーは、2016年のウインブルドン優勝者。バブリンカは、2016年のUSオープン優勝者。チリッチは、2014年のUSオープン優勝者。つまり、錦織以外は、テニス4大メジャーであるグランドスラムのチャンピオンだ。錦織が属するグループは、“死の組”といえる。もちろんトップ8の選手との試合になるので、誰と対戦しても簡単な試合にはならない。

「3人共、難しい試合になるとは思いますけど、どちらのグループもタフなので、そんなには気にしていないですね」

こう語る錦織は、大会2日目の11月14日のデイセッションの第2試合(ロンドン時間)に、バブリンカと初戦を戦う。バブリンカとは、今年のUSオープン準決勝で戦い、4セットで敗れている。錦織としては、ロンドンの大舞台で、ニューヨークでの借りを返したいところだ。対戦成績は、錦織の2勝4敗。

「(バブリンカに)勝ってるのもありますけど、USオープンでは負けている。どっちみちタフな戦になると思います。しっかりラリーを組み立てながら、アグレッシブにプレーしていきたい」

ラウンドロビンを突破するには、初戦を制するのが非常に大切といわれるため、錦織は是が非でも1勝目を挙げたいところだ。

「準備としては、しっかりできていると思います」と語る錦織が、2016年シーズンの集大成となるツアーファイナルズで、トップ8のテニスマスターを相手に、究極のプレーを披露してくれることを楽しみにしたい。

ITWA国際テニスライター協会メンバー、フォトジャーナリスト

1969年2月15日生まれ。東京都出身。明治大学商学部卒業。キヤノン販売(現キヤノンMJ)勤務後、テニス専門誌記者を経てフリーランスに。グランドスラムをはじめ、数々のテニス国際大会を取材。錦織圭や伊達公子や松岡修造ら、多数のテニス選手へのインタビュー取材をした。切れ味鋭い記事を執筆すると同時に、写真も撮影する。ラジオでは、スポーツコメンテーターも務める。ITWA国際テニスライター協会メンバー、国際テニスの殿堂の審査員。著書、「錦織圭 15-0」(実業之日本社)や「STEP~森田あゆみ、トップへの階段~」(出版芸術社)。盛田正明氏との共著、「人の力を活かすリーダーシップ」(ワン・パブリッシング)

神仁司の最近の記事