金正恩氏は「オヤジ超え」をはたせるのか…北朝鮮で36年ぶりの党大会開催
北朝鮮では、6日午前より朝鮮労働党第7回大会が開かれているが、どうも閉鎖的な大会となっているようだ。
現地入りした取材陣から伝え聞くところによると、100人以上の海外メディアは、大会会場の「4・25文化会館」に入ることすらできず、外観の撮影が認められただけだったという。開幕式の模様すら公開されていない。
国営テレビの朝鮮中央テレビも、大会の様子を大々的に報道することなく、記録映画や通常の映画などを淡々と流すのみ。そんななか、同じく国営メディアの朝鮮中央通信は、なぜか、1961年に創作された北朝鮮歌謡の定番曲「われら幸せうたう(この世に羨むものはない)」に金日成賞と金正日賞が授与されたニュースを伝えるなど、いささか拍子抜けの感が否めない。
一方、労働党の機関誌「労働新聞」は同日、大会の意義を強調する社説を掲載。社説は、「今回の大会を通じて朝鮮労働党は全党が金正恩元帥と思想と呼吸も、足取りも共にする一つの有機体になる」と強調する。
金正恩氏が狙う「オヤジ超え」
現時点で、北朝鮮が情報統制を強いている原因は不明だが、労働党大会に関する数少ない報道の一つとして配信された社説をここに引用する。
金正恩第1書記としては、36年ぶりの今回の大会を通じて、生前、大会を開催すらできなかった父親の金正日総書記を超えて、祖父の金日成主席に並び立ちたかったはず。そのうえで、名実ともに北朝鮮の最高指導者であることを確認、そして誇示する狙いがあったと見られる。しかし、このままでは「朝鮮労働党大会」は看板だけで、密室会議の延長版で終わる可能性もある。そうなれば、「オヤジ超え」どころか、ただでさえ確立していない金正恩氏の権威がさらに下がるという逆効果を招きかねない。
(参考記事:金正恩氏、36年ぶり党大会で狙う「オヤジ超え」)