ドワンゴ対FC2の知財ガチンコ対決について

「ドワンゴ、FC2を提訴 動画コメント特許侵害を主張」というニュースがありました。

ネット動画サービスに表示されるコメントの特許を侵害されたとして、ドワンゴは11月15日、米FC2など2社に対し特許侵害の差し止めと損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。

ということだそうです。ドワンゴによるプレスリリースも出ています。

プレスリリースには特許番号が書いていないのですが、動画へのコメント表示関連特許であること、および、日経ビジネスオンラインの関連記事(「米FC2を提訴、ドワンゴ川上会長の真意」)における「2006年に出願して2011年に登録」等の情報から類推するに、特許4695583号(表示装置、コメント表示方法、及びプログラム)なのでしょう(この特許については公開時点の2008年に私がブログ記事にしてます)。ちなみに発明者はドワンゴ川上会長とニコ動開発総指揮の戀塚氏です。なお、これの分割である特許4734471号をはじめとする他の特許も含まれている可能性もあります。

4695583号のポイントは、動画上のコメントが重ならないように位置を調整する手法にあります。動画にコメントをリアルタイムで重ねて表示するアイデア自体は2006年時点でも公知例があって特許化困難でしたが、このように実装上のちょっとした工夫を特許化できれば、少なくとも丸パクリを防ぐ効果はありますし、回避しようと思うと一気に使いにくいシステムになってしまったりするのであれば多大な価値があります。

なお、両社は「ブロマガ」なる商標についてももめています。9月にFC2がドワンゴを訴え、この特許権訴訟提起と同日の11月15日にドワンゴをFC2を訴え返しています。こちらもいろいろ興味深い論点があるのですが長くなりそうなので別記事にします。

今回の訴訟は技術的な侵害論・無効論も興味があるところなのですが、FC2のサーバはほぼ確実に米国内にあるところ、日本国内特許だけで果たして権利行使ができるのか(特に、サーバ使用の差止めができるのか)という点(いわゆる域外適用)が特に気になるところです。個人的には、是非和解せずに判決を出して欲しいなどと思ってしまいます。