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台風 統計史上最も早いペースで発生中 上陸が多くなる傾向も

増田雅昭気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
5日午前11時の雲画像。(気象庁HPより。一部加工)

4日、台風5号が発生しました。今年の台風発生はここまで、統計史上最も早いペースです。過去の傾向から見ると、今年は台風の上陸が平年より多くなるおそれもあります。

4月上旬までに5個の台風発生は初

3月末に発生した台風4号はフィリピン北部のルソン島へ進み、さらに台風5号も発生しました。

1951年からの統計史上、4月上旬までに台風が5個発生したのは初めてで、4月末までで見ても、過去3回しかありません(1965年、1971年、2014年)。

まだ発生数が少ないので、誤差の範囲と考えることもできますが、台風4号・5号が発生した海域の海水温は平年より高く、台風発生が続いた一因になっています。

■最新の台風予報:http://typhoon.yahoo.co.jp/weather/jp/typhoon/

今年は台風の上陸が多くなる?

4月中に台風5号が発生した上述の過去3回を調べてみると、10年ぶりに台風が4個上陸した昨年をはじめ、1971年が4個、1965年が5個と上陸数は平年を上回っています。

もちろん、このサンプルだけで、今年の台風がどうなるか予測するのは無理がありますが、気にはしておきたい傾向です。

台風を構成する積乱雲が発生しやすい大気の流れは、数十日ほどの周期でやってきます。今の台風が発生しやすい状況はいったん落ち着くでしょうが、今年はあと何度も台風が発生しやすい時期がやってくるはずです。

まだ台風接近の切迫感はない時期かもしれません。ただ、余裕があるからこそ、できる備えもあります。自宅周辺の危険箇所を調べるなど、事前にできることはしておきたい時期です。

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気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

TBSテレビ・ラジオ気象キャスター。大学在学中に気象予報士を取得し、民放キー局の報道番組に学生予報士として出演。気象キャスターに携わりながら、企業への予報やアドバイザーも長年担当し、甲子園での高校野球の大会本部気象担当を務めたこともある。災害から身を守る気象情報の使い方など講演も行うほか、Twitterで気象情報を毎日発信。著書に『TEN-DOKU クイズで読み解く天気図(ベレ出版)』がある。1977年滋賀県甲賀市生まれ。

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