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今年、最も天気予報が当たっている県は?

増田雅昭気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
2015年の適中率ランキング(1月~11月速報値/気象庁・翌日の予報)

「山に囲まれているから、予報が当たらない」、「海の近くだから、予報が難しい」など、ある種のお国自慢のように語られる天気予報の当たりはずれ。今年、最も予報が当たっているのは、どこの都道府県でしょうか。

1位は愛知県、最下位は北海道

天気予報の検証は、様々な方法がありますが、今回は代表的な「降水の有無」の適中率を比較しました。

気象庁が夕方に発表した予報で、翌日に1mm以上の降水が有るか無いかを当てた率です。気象台のある地域(神奈川県東部、京都府南部などの広さの区分)に設置された複数の観測所ごとに適中率を算出し、それを平均しています。

気象庁が公表している今年1月~11月の適中率を平均した結果、89.9%の愛知県(愛知県西部)が1位、最下位は80.5%の北海道(石狩地方)でした。

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梅雨時に適中率を落とさなかった愛知

12年~14年の過去3年平均では、最上位は山梨・岡山・宮崎県で、愛知県は7位でしたので、今年は飛躍したことになります。

適中率が下がりやすい梅雨時を、6月92%、7月95%の好成績で乗り切ったのが、要因の一つでしょう。雨日数が多かったにも関わらず、驚きの結果です。

一方、北海道は、過去3年平均でも最下位です。動きを読みづらい雪雲に翻弄される期間が長いことが、成績が上がりにくい一因と推測されます。

普段の天気予報が信頼確認の場

今回、比較したのは、気象庁の予報の適中率です。みなさんが目にするのは、民間の気象会社など様々な予報があり、その中で自分が納得できるものを選んでいただければと思います。

その際、なんとなく当たった・はずれた、ではなく、その情報に沿って自らの行動を決められるものかどうかを見極めていただきたいのです。

天気予報は、防災情報です。いざ災害がせまった時に、「いつもはずれているから、今回もどうせ…」となると、適切に危険を避けられないおそれがあります。

普段の天気予報が、出す側と受け取る側の、信頼確認の場です。服が自分にフィットするか試着するように、天気予報も自分に合うか感触を確かめながら使ってみてください。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

TBSテレビ・ラジオ気象キャスター。大学在学中に気象予報士を取得し、民放キー局の報道番組に学生予報士として出演。気象キャスターに携わりながら、企業への予報やアドバイザーも長年担当し、甲子園での高校野球の大会本部気象担当を務めたこともある。災害から身を守る気象情報の使い方など講演も行うほか、Twitterで気象情報を毎日発信。著書に『TEN-DOKU クイズで読み解く天気図(ベレ出版)』がある。1977年滋賀県甲賀市生まれ。

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