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U-20ナイジェリア代表に快勝!世界一に向け、最高のスタートを切ったヤングなでしこ(3)

松原渓スポーツジャーナリスト
地元スポーツ紙でもヤングなでしこの活躍は大きく取り上げられた。

パプアニューギニアで11月13日に開幕したFIFA U-20女子ワールドカップの初戦で、ヤングなでしこは、前回大会準優勝のU-20ナイジェリア代表を相手に、6-0の完封勝ちで上々のスタートを切った。

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【監督・選手コメント(U-20ナイジェリア代表戦後)】

高倉麻子監督

ーー初戦に向けて、選手に緊張は見られましたか?

緊張というよりは、楽しみすぎて鼻息が荒いぐらいでした。ナイジェリアに粘られると嫌だな、と思っていたので、最初の方はなかなか点が入らなくてナーバスになったと思います。

ーー試合を振り返って

ボールも人も良く動いて、いいゲームができたと思います。選手は焦(じ)れずに、よく自分たちのサッカーを貫いてくれたなと思います。ただ、ミスも多かったですし、まだまだ修正していけると思っています。攻撃ではシュートもラストパスも、取られ方が悪いと逆襲を悪い形で食らってしまうので、フィニッシュの持っていき方はもう一度整理したいですね。ディフェンスは特に集中してやってくれていました。いいスタートが切れたと思います。

ーー次の試合は中2日で、夕方4時と暑い時間帯のスペイン戦です。選手もターンオーバーしていくのでしょうか。

この21人で6試合と考えているので、どの選手にもチャンスがあると思いますし、やる気のある、調子の良い選手をどんどん使うつもりなので、チームに力を与えてもらいたいです。

FW 籾木結花

ーー2得点を決めましたが、今の心境を聞かせてください。

自分が2点を取ったという感覚よりも、チームで6点取ったという印象が強いです。今日の試合はサブもスタッフも含めて、チーム全員が全力を出すことを目指していて、それがこの6点につながったのかなと感じます。

ーーフィジカル面ではどのような対応を意識しましたか?

実際にナイジェリアと対戦してみて、まだまだアフリカ勢の身体能力というのは、超えられないものを感じました。一つ一つのプレーで、アフリカ勢の体の強さを感じました。今日の試合は勝ったからこそ良かったと言えるんですけれど、やはり球際の部分はこれからもっと高めていきたいです。

ーーこの初戦での勝利は、大会2戦目以降にどのような影響を与えると思いますか?

もちろん、この初戦にかける思いはみんな強かったと思いますし、全力を出せた結果だと思うんですけれど、6−0という結果を良い方向に捉えても、それが過信につながってはいけないので、次のスペイン戦はまた新たなスタートと考えています。

ーー次のスペイン戦は、どのようにイメージしていますか?

スペインのサッカーは日本に似ているということで、やはりどちらのサッカーがレベルが高いかということが勝敗を分けると思いますし、スペインも初戦を勝って波に乗っていると思うので、自分たちがその勢いを止めるように、2日間しっかり準備したいと思います。

地元誌に掲載された記事
地元誌に掲載された記事

FW 上野真実

ーー初戦でハットトリックを決めました。

想像していなかったですけれど、いい流れを作れたのではないかなと思います。守備では前から行けるときは行こうと決めていたし、攻撃では裏への動きを結構狙っていたので、スプリントの回数を増やすことを意識していました。

ーー決めた後はガッツポーズも出ていましたね。

初めてのゴールでしたし、点を決められてすごく嬉しかったので(笑)。

ーー緊張しましたか?

今日の場合はいい方向に緊張が働きました。良い緊張感があって、試合に入ったらまず自分の仕事をしようと思っていたし、それで結果が出せたので良かったです。

ーー開始28秒で惜しいシュートがありました。

あの時に「いける」と思いました。あの場面で確実に決めていれば、もっと楽な試合になったと思います。

ーーナイジェリアとの対戦で、未知の相手に対する不安はなかったのでしょうか?

やっぱりナイジェリアは身体能力が高かったので、競る時やカウンターは怖かったですけど、失点もゼロに抑えられましたし、しっかり対応できていたと思います。

ーー今日のご自身のパフォーマンスを採点すると?

60点ぐらいです。前を向けるところで後ろ向きのプレーばかりになっていたので、もっと前を向いてゴールに近づきたいですし、90分間走りきれなかったのは課題でもあるので、徹底してやりたいです。

ーー同じFWの籾木選手の存在については。

信頼がありますし、飛び出すとすごくいいパスをくれるので、すごく頼りにしています。本当にいい選手なので、自分もいつか追い越せたらいいなと思っています。試合を通して、もっともっと信頼を築いていきたいです。

DF 乗松瑠華

ーー大切な初戦に勝った、今の心境を聞かせてください。

結果としては勝利で終えることができましたが、課題が多く見つかった試合でした。特に、声がなかなか通らなくて、マークの受け渡しでうまく連携が取れていません。すごく嬉しいことなんですけど、応援してくれる方がたくさんいて、今までこんなに大きな声援の中でやる機会がなかったので、みんな初めてでちょっと動揺しているといいますか(笑)。練習でアイコンタクトやジェスチャーで、もっともっと追求していかないと、今後はやられることもあるんじゃないかなと思うので、そこを改善したいです。

ーーナイジェリアを0点に抑えられたことを、どう捉えていますか?

1対1を作られたところが1度ありました。最後のところで(平尾)知佳が守ってくれましたが。ディフェンスラインとしては、背後のケアを意識しすぎて声が通らないことがありました。人数が足りているのに奪いきれないことがあったので、そこを修正していきたいです。

ーー今日はFW陣の2人がハットトリックを決めましたが、そのFW陣については?

ゴールを決めてくれて、後ろの選手も自信を持ってラインを上げることができたので、次もやって欲しいですね。初戦ということで、みんなすごく緊張していたと思うんですけど、大量得点も自信につながったと思います。次の相手であるスペインも(初戦は)大量得点で勝っているので、切り替えて次の試合に備えます。

ーースペイン戦はどのようなイメージですか?

日本と同じようなサッカーをしてくる相手だと思うんですが、(私たちは)日本らしいサッカーをすることが大切だと思いますし、今日みたいにしっかり取れる時間帯に点を取るということが大事だと思うので、そこをやっていけたら、次もしっかり勝ちきれると思います。

ーーサポーターにどのような試合を見せたいですか?

現地の方の歓迎が本当にすごくて、感動しました。みなさんに日本の魅力的なサッカーを見せて、サッカーが好きになってほしいですし、日本のサッカーにも興味を持ってもらいたいです。次は今日よりもいい試合をして、もちろん結果にもこだわって勝ち切りたいと思います。

スポーツジャーナリスト

女子サッカーの最前線で取材し、国内のなでしこリーグはもちろん、なでしこジャパンが出場するワールドカップやオリンピック、海外遠征などにも精力的に足を運ぶ。自身も小学校からサッカー選手としてプレーした経験を活かして執筆活動を行い、様々な媒体に寄稿している。お仕事のご依頼やお問い合わせはkeichannnel0825@gmail.comまでお願いします。

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