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なでしこリーグ開幕まで1か月。今シーズン、躍進するのはどのチームか?ーノジマステラ神奈川相模原(2)

松原渓スポーツジャーナリスト
チームを率いる菅野将晃監督(写真:アフロスポーツ)

2月15日(水)〜19日(日)まで、千葉県内で、なでしこリーグ1部と2部、韓国のクラブ1チームの計9チームによる千葉交流戦が開催された。

各チームが今季の新体制を発表し、始動して約1か月が経過した。3月26日のなでしこリーグ開幕に向け、それぞれどのような仕上がりを見せているのか、千葉交流戦の取材を元に、各チームの今季を展望する。

なでしこリーグ開幕まで1か月。今シーズン、躍進するのはどのチームか?ーノジマステラ神奈川相模原(1)

以下、千葉交流戦での監督・選手コメント。

監督・選手コメント

菅野将晃監督

伊賀FCくノ一戦(○2−1)戦後(2月15日/姉崎サッカー場)

ーー(千葉)交流戦では、新加入の國武(愛実)選手と臼井(理恵)選手をセンターバックで組ませるなど、積極的に起用されていますが、手応えはいかがですか?

今年、武蔵短期大学から加入した國武は、ディフェンスのセンスと、ボールのつなぎの落ち着き具合が良い選手です。スピード感やコンタクトの強さはまだ大学のレベルから抜け切れていないところがありますが、クレバーだし、期待値だけではなくて、実際にプレーして、手応えを感じています。臼井はいろんなポジションができるプレーヤーなので、今後どこで使うのが一番良いのか、試しています。

ーー試合の中では、球際で強くいくことを強調していらっしゃいました。物足りないと感じるのはどのような点ですか?

うちは、まだそういうところは2部のレベルです。動きの量はあっても、ディフェンスの時に相手選手につき切れない選手が多すぎる。ボールウォッチャーになったり、動きの質に関して、まだ1部のレベルになりきれていないと感じています。

浦和レッズレディース戦(●0-5)戦後(2月18日/ゼットエーオリプリスタジアム)

ーー今日の試合を通じて、どのような課題が出ましたか?

守備面でフリーの選手を多く作ってしまうのは、チームとして大きな穴です。コーチングも含めて、ピッチの中で選手たちが修正をしないといけません。攻撃面でも、もっと良い状況で(ボールを)受けられるのに、パススピードが弱く、パスがずれてしまう。攻撃の組み立ての部分で、どれだけ良い状況を作れるかというところに取り組んできましたが、上位に来る相手にはもう少しレベルアップしないと、リーグ戦では厳しいと思います。

うちは1部のチームの中でも小柄な選手が多いので、当たりの強さも含めて、まともにやりあったら厳しい。3バックを取り入れているのは、攻撃面で優位に立てるようにしたいと思っているからです。ただ、今の状態では有効な手段になっていないので、自分自身も課題を突きつけられていますね。グアムキャンプも含めて、身体的にはきつく追い込んできました。この交流戦を通じて得られたものを活かして、チームとしての戦い方を研ぎ澄ましていきたいです。

ーー昨年は、AC長野パルセイロ・レディースが1年目で3位になりました。ノジマの1年目はどのようなチャレンジになりそうですか?

1年目で長野のように、あんな風にうまくいくとは思っていないですけれど、周りは期待しちゃうでしょう?期待されるのは嬉しいけれど、ハードルが高いなぁと(笑)。

2部では、「お互いに持っている力どうしで戦おう」という傾向がありましたが、1部では、どのチームも試合の直前には相手の映像を見て対策を立てるでしょうし、お互いのストロングポイントとウィークポイントをどのように戦わせていくか(という駆け引き)になるので、その点も難しさがありますね。

DF 高木ひかり

浦和レッズレディース戦(●0-5)戦後

ーー交流戦を通じて、今季のチームにどのような手応えを得ていますか?

相手によって良かったり悪かったり、波があると感じています。今日の試合は、ビルドアップのところでボールを運ぶ時に奪われて、数的不利な状態で攻められる場面がありました。守備では3枚(のDF)で相手の2枚(のFW)をうまく捕まえられなくて、受け渡しのミスからやられました。相手のFWが上手いと時間をかけられてしまうので、そこをもっと早く潰したいですね。

ーーなでしこリーグでのプレーは2年目(去年は2部)ですが、今季はどのような面を伸ばしたいですか?

監督からは「ディフェンス面で甘い」と言われています。寄せが甘く、1対1でボールを触ってもバチンとぶつかって相手に持って行かれてしまうことがあるので、そこで奪いきる力が欲しいですね。なでしこジャパンで高倉(麻子)監督や大部(由美)コーチにも、1部になると通用する部分が減るので、それをどれだけ増やせるかが大切と言われました。センターバックは守備の要ですし、ボールを奪って攻撃につなげていくパスも高めていきたいです。

DF 臼井理恵

浦和レッズレディース戦(●0-5)戦後

ーー今季加入して、新天地でのプレーはいかがですか?

ノジマは今年1部に上がってきたチームですし、全員が意欲的で、「みんなでやろう」というところがすごく良いですね。プレーでも最後まで諦めない選手が多いので、自分もチームで試合に出場し続けられるように高めていきたいです。

ーーポジションは、サイドバックとセンターバックもプレーしていますね?

3バックや4バックなど、チームでいろいろなシステムを試している段階です。どのポジションでも、スピード、パワー、キック力など、自分の良さを出して貢献したいです。

ーーノジマで、自分のどのような面を伸ばしたいと考えていますか?

よく走るチームなので、まずは走力を上げることです。自分の良さであるコーチングや、最後の場面で、体を張って貢献したいですね。ディフェンスの選手も、攻撃的に前線に上がってもいいと言われているので、良いボールの奪い方ができた時は、自分が最前線に行って点を取りたいです。

クラブ情報

ノジマステラ神奈川相模原

スポーツジャーナリスト

女子サッカーの最前線で取材し、国内のなでしこリーグはもちろん、なでしこジャパンが出場するワールドカップやオリンピック、海外遠征などにも精力的に足を運ぶ。自身も小学校からサッカー選手としてプレーした経験を活かして執筆活動を行い、様々な媒体に寄稿している。お仕事のご依頼やお問い合わせはkeichannnel0825@gmail.comまでお願いします。

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