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中国で巨大竜巻発生!台風竜巻の恐怖

森さやかNHK WORLD 気象アンカー、気象予報士
(写真:アフロ)

週末、渦中の人ならぬ”渦中の渦”が、人々の注目を集めました。

台風22号が日曜日(4日)に中国・広東省に上陸し、複数の竜巻を発生させました。まさに渦の中に渦ができたのです。

住宅の倒壊などによって、少なくとも11人が死亡、3人が行方不明となっています。ビデオから、巨大な竜巻が瓦礫を舞い上げながら進んでいるのがわかります。

中国の竜巻

中国では、過去にどのような竜巻が発生しているでしょう。

記憶に新しいところでは、今年6月の竜巻があります。揚子江で旅客船が竜巻に煽られ沈没し、450人以上がなくなるという痛ましい事故が起こりました。救出された人が竜巻を見たと証言していましたが、その後中国気象局も竜巻の発生を確認しています。戦争以外の海難事故としては、中国史上最悪の事態となりました。

その他、今回竜巻の被害があった広東省では、1944年に13人、2002年には26人が竜巻で死亡しています。

このように中国ではしばしば竜巻が発生し、その数、年間でおよそ10〜100個とも言われています。発生時期は春から夏にかけてが多いので、秋に発生する竜巻は比較的珍しいようです。

台風から発生する竜巻

今回のように、竜巻はよく台風に伴って発生することがあります。アメリカの統計では、一個のハリケーンから、平均して一つ以上の竜巻が発生しているようです。

一方で、2004年のハリケーンIvanは、史上最多となる117個の竜巻を発生させました。日本の最多記録は、2013年に発生した台風18号の10個ですので、やはり竜巻大国アメリカは桁が違います。

ところで、日本ではあまりニュースになりませんでしたが、今年の8月にも台風13号に伴って台湾で竜巻が発生し、その姿がカメラに収められています。撮影している車は間一髪で危険から逃れたものの、その前の車が一気に飛ばされており、竜巻の危険性を物語っています。

台風由来の竜巻は比較的弱いものが多く、また台風の北東象限(北半球の場合)で発生する場合が多いことが知られています。現在台風23号が北日本に向かっており、週後半に北海道東部に上陸の恐れもあります。これに伴い竜巻の可能性も考えられますので、十分ご注意ください。

NHK WORLD 気象アンカー、気象予報士

NHK WORLD気象アンカー。南米アルゼンチン・ブエノスアイレスに生まれ、横浜で育つ。2011年より現職。英語で世界の天気を伝える気象予報士。日本気象学会、日本気象予報士会、日本航空機操縦士協会・航空気象委員会会員。著書に新刊『お天気ハンター、異常気象を追う』(文春新書)、『いま、この惑星で起きていること』(岩波ジュニア新書)、『竜巻のふしぎ』『天気のしくみ』(共立出版)がある。

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