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なぜ秋田県だけ大雪なのか?

森田正光気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ会長
秋田県内・ゴミ捨て場の様子

昨年の集中豪雨のときにも書きましたが、大雨とか大雪というのは、年によって地域的なクセがあるようです。

日本海側の大雪について言うと、二年前は鳥取県、一昨年は長野県、昨年は青森県、そして今年は秋田県が大雪の標的になっているようです。

今日(22日) 現在、秋田県内は平年の2倍から3倍近い積雪になっているところもあり、雪おろし等の事故で死者9人、重軽傷者85人を数えています。この事態を受けて、秋田県は40年ぶり(昭和48年~49年)に雪による災害対策本部を設置しました。

ではなぜ秋田県だけ突出して雪が多いのか。

おそらくこれは、今年の寒気の入り方と関係があると思います。今年の寒気は「なべ底型」といって、日本海全体に寒気が入り込む形です。関連して日本海の風向きをみると、秋田では北風が際立って少なく、西よりの風が目立っています。実は日本海側の大雪というのは、日本海で水蒸気の補給を受けるので、風向きによって大雪の降る場所が変わります。例年通り、北西の風が多ければ北陸で豪雪になりやすいのですが、今年は西風が多いことによって、大雪の降る場所が北の方にずれているのではないでしょうか。

ちなみに40年前の秋田豪雪の年も、北風が少なく(2%)西寄りの風(66%)が目立って多くなっていました。細かいデータは省きますが、北風が少ない年は秋田が大雪ということが言えそうです。なお北風が少ない理由は、今年のアリューシャン低気圧の発達場所が関係していると思いますが、このあたりについてはまだよくわかりません。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ会長

1950年名古屋市生まれ。日本気象協会に入り、東海本部、東京本部勤務を経て41歳で独立、フリーのお天気キャスターとなる。1992年、民間気象会社ウェザーマップを設立。テレビやラジオでの気象解説のほか講演活動、執筆などを行っている。天気と社会現象の関わりについて、見聞きしたこと、思うことを述べていきたい。2017年8月『天気のしくみ ―雲のでき方からオーロラの正体まで― 』(共立出版)という本を出版しました。

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