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栃木の突風は竜巻か?

森田正光気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ会長
竜巻発生の主な理由(気象庁)
竜巻発生の主な理由(気象庁)

昨夜から今日にかけて、台風11号に関連して各地で突風が吹きました。

とくに栃木県内では、栃木市、壬生町、鹿沼市などで屋根瓦が飛ぶなどの被害が発生し、割れたガラスなどでケガをなさった方もいたとの事です。

まだ詳しい調査がなされていない段階で発言するのもなんですが、この突風の原因は「竜巻」だった可能性が考えられます。

目撃証言こそありませんが、伝えられるところによると、被害は線上になっているとのことです。

このライン状に広がるのは、竜巻が通過した時の被害の特徴でもあるからです。同じ突風でもダウンバースト(下降噴流)の場合は、被害が扇状に広がるので竜巻との違いが分かります。

また被害に遭われた方によると「ゴーッという音がした」との証言もありますが、この音も竜巻を示唆しています。

さらに竜巻の発生するときの気象条件は、台風接近時が三番目に多く、 台風が近づいているときには、むしろ竜巻が起こりやすいのです。

ところで今回の突風では、木が完全に折れていたり、家屋の倒壊なども起こっていました。

またコンクリート製の電柱も倒れるなどしていたところから見ると、竜巻の強さを表す藤田スケールで言うとF1(風速33~49メートル)くらいは吹いていたと思われます。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ会長

1950年名古屋市生まれ。日本気象協会に入り、東海本部、東京本部勤務を経て41歳で独立、フリーのお天気キャスターとなる。1992年、民間気象会社ウェザーマップを設立。テレビやラジオでの気象解説のほか講演活動、執筆などを行っている。天気と社会現象の関わりについて、見聞きしたこと、思うことを述べていきたい。2017年8月『天気のしくみ ―雲のでき方からオーロラの正体まで― 』(共立出版)という本を出版しました。

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