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「オフフィールドでも…」7人制日本代表・藤田慶和、東京セブンズ1日目談話【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター

東京セブンズの大会1日目が4月4日、秩父宮ラグビー場で行われた。

7人制ラグビーの各国代表がシーズンを通して世界を転戦するセブンズワールドシリーズの第7ラウンド。男子7人制日本代表はアルゼンチン代表、サモア代表、フランス代表との4チームからなる予選プールDを1勝1敗1引き分けで終え、同シリーズで15年ぶりの8強入りを決めた。

チームには、15人制の日本代表で18キャップ(国同士の真剣勝負への出場数)を持つ藤田慶和が加入していた。

持ち前のランニングスキルや双方陣営の方針などからふたつのカテゴリーでプレー可能な21歳。1日目は3試合フル出場を果たした。

7人制日本代表は同シリーズに常時出場できるコアチームにあって、現在、獲得ポイントで最下位となっている。

以下、取材エリアに登場した藤田の一問一答。

<アルゼンチン代表戦後>

――得点直後の失点が響き、14-14で引き分けでした。

「やりたいことをやってトライができたとはよかったと思います」

――悔やまれる点は。

「細かい部分が詰められなかった。トライを取った、その次のプレーで点を取られたり。甘くなった部分が、勝ち切れなかった要因かな、と」

――逆に、良かった点は。

「前を向いてトライを取れたのは良かったかな、と思います。僕はいかなったんですけど、香港(ワールドシリーズ第6ラウンド・香港セブンズ/3月27~29日)では前を見れなかったという課題があったということでした。今回はしっかり前を見てから用意したプレーをしようと思っていた。いい判断ができて良かったです」

――(当方質問)前半5分、自陣から凹凸な守備網の裏側へ坂井克行主将がキック。トゥキリ ロテ ダウラアコとその弾道を追いかけ、球を繋ぎ、坂井主将のトライを導きました。

「(プレー選択は)坂井さん(ボール保持者)発信ではなく、僕とロテ(その遠くから全体を見渡していた2人)からの発信だった。そこが良かったんじゃないかと」

――後半途中、敵陣中盤右中間での攻撃。松井千士選手へのパスがスムーズに繋がれば…というシーンがありました。

「(目の前に並んでいるうち)後ろの対面(目の前のタックラー)が、完全に千士のほうへ行っていた。一度、僕が縦をついてそいつにコミットしてから千人に…と思ったんですけど、千士的には先にボールをもらいたかったみたいで」

――(当方質問)事前報道では、ベスト体重を15人制時の94キロから92キロに減らしたとのこと。感触はいかがですか。

「いい感じじゃないかなと。もう少しスペースのある場所でボールをもらえればベストかなと思います」

――(当方質問)15人制代表に合流後は、体重は元に戻しますか。

「そうですね。徐々に。急にだとしんどいと思うので」

<フランス代表戦後 8強入りを決定>

――(当方質問)まず、感想を。

「最後、フランスに負けた(19-24)のは悔しいですけど、目標としていたベスト8を有限実行できて、非常に嬉しいです」

――(当方質問)そのフランス代表戦の前半5分、自陣でパスを渡したレメキ ロマノ ラヴァから再度、ボールをもらい、チーム1本目のトライを決めました。

「アルゼンチン戦で、瀬川(智広ヘッドコーチ)さんに『パスを放った後のサポートが薄くて点に繋がっていない』と指摘された。1試合目から3試合目までの間で成長して、パスをもらった後にフォローしてトライできたのはいいことだと思います」

――収穫と課題。

「良かったところはまとまってプレーできたこと。オフフィールドでもチームとしてまとまれたと思います。フリーの時間(試合と試合の合間)にカフェで話す時間が設けられたんで、そこがチーム力向上、やる気に繋がったと思います。悪かったところは勝ちきれなかったところ。入り(前半は一時0-12に)も良くなかった。もっと伸び率があると感じています」

――同グループのアルゼンチン代表とサモア代表が26-26で引き分けたことで、フランス代表戦前から8強入りが決まっていました。

「試合が終わるまでわからなかった。アルゼンチンとサモアの試合結果も、考えずに試合に入った。レフリーにワセダの友達がいるんですけど、そいつに聞いても『わからん』と。違うレフリーの方に『同点』と聞いても『(自分たちの8強入りの可否は)どうなるんやろう』と。最後の円陣で、知りました」

――(当方質問)サモア代表を26-12で破った予選プール第2戦については。

「いいところでトライを取れた。それ以上に、攻守で皆のワークレート(仕事量)が高かったことが勝ちに繋がったと思います」

――5日の初戦ではワールドシリーズ暫定2位のフィジー代表と激突。

「世界一のチーム。まだ、試合まで時間がある。しっかり身体を休め、対策、いい準備をして臨みたいなと思います。まだまだ、できると思う。もっともっと、サポートラインを追求したり、積極的に仕掛たり。パスミスも何個かあったので、精度も上げたいと思います」

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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